たもつが、立てない

9月28日の朝散歩。
右脚に痛みを感じているものの、なんとか歩けています。

9月29日午前、段差も難なく乗り越えベランダへ。
日向ぼっこで微睡み中です。
高度医療センターで処方された
メタカム(非ステロイド系消炎鎮痛剤)の服用を5日間で終え、
その後の2日間はプレドニン(ステロイド系消炎剤)を服用させ
(メタカムよりプレドニンの方が効いたように思います)
それでも相変わらず右前脚に違和感を訴えていた坊ちゃん。
10月1日、朝散歩は雨のパラつく中河原へ。
やはり前脚を庇いながら、それでも懸命に歩を進めているので、
慎重に見守りながらついて行きます。
それでも悪化させてはいけないと思いひとまず帰宅。
それから1時間経つか経たないかという頃、
台所に立つ私の横を急ぎ足で玄関へと向かう坊主の姿が。
なんか猛スピードで歩いてる? 脚は? 痛くないんか?
(あー、ウ○チ行きたいんだねー。この荒れ狂った中を……)
外は既に大荒れ、(これ、カッパも役に立たないだろうな)
管理人さんの「気を付けて行ってらっしゃい」の声を背に、河原へ。
河原に吹き付ける風は轟音を立て、カッパは捲れ上がり、
坊主は強風に足元をさらわれそうになっています。
こんな状態で、出る?
草地に下ろされた坊主は呆然とした様子で、
痛みを覚えている前脚を宙に浮かせています。
(いやこれ、絶対出ないでしょ。……っていうか、出せないでしょ)
それでも坊主はふと踵を返すと、右前脚を庇いながら歩き始めます。
そして、強風の中徐に腰を屈め、目的達成。
この日2度目のシャワーを終え、坊主もさすがに疲れたようで、
その日の午後はただひたすら眠り続けていました。
夜、夫が帰宅してから夜散歩へ出ようとしていると……。
え? たもちゃん!?
え? え!!!
たもつが……、立てなくなっていました。
え? 何これ? どういうこと?
立たせようにも腰がゆらゆらと揺れていて、
後ろ半身に力が入らない様子なのです。
こんなことってある?
え? 前庭疾患じゃないよね?
夫に坊主を抱えてもらい、河原へ。
草の上に坊主を降ろすも、
腰が砕けてしまい立つことができません。
何これ? いったいどうしちゃったの?
ふら付く身体を4本の腕に支えられながら、
坊主はどうにかオシッコを済ませることができました。
いったいどうしたの?
昼前には普通に屈むことができていたのに……。
10月2日、坊主をバギーに乗せかかりつけの病院へ。

なんとも冴えない表情の坊ちゃん。
「先生、たもつが立てなくなっちゃった」そう訴えると、
赤ちゃんの時からたもつを診てくれている先生は
がっくりと肩を落としました。
診察台に乗せてみるも、
後ろ脚に力が入らず大開脚になってしまいます。
「弱ったのは年齢的なものであろう」というのが、
先生の見立てでした。
右前脚を痛めていたこともあり寝かせてばかりだったので
それで脚が弱ってしまったのでは?と訊くと、
それだけが理由で立てなくなったりはしないということでした。
夫は「脳腫瘍の可能性は? 神経性の問題とか」と懼れていましたが、
先生の反応からそうではなさそうと感じました。
「このまま立てないということもあります」とそう言われ、
私たちも返す言葉が見付かりません。
その後、たもつを抱え夜の河原へ。
私が胸の下に手を入れ支え、夫は尻を支えます。
二人掛かりで支えていても、
身体がゆらゆらと定まらず、どうにも危なっかしいのです。
暫くその状態を続けていましたが、
ふと、たもつが後ろ足を踏ん張り
一瞬ですがしっかりと立つことができたのです。
「たもちゃん立てるじゃん! まだまだ全然いけるじゃん!」
感激のあまり、泣きそうに。
10月3日、前日注文していた「歩行補助ハーネス」が届きました。
シンプルな作りなのですが、使いこなすのが少々難しい。


坊主を吊り下げているような状態になってしまい、
歩行はおろか立たせるのも難しいのです。
これ、吊り下げられている状態じゃ、
筋トレにもならないよね。
実は以前

こんなものを購入したことがあったのですが、
これは登山などで負傷した犬を抱えて下りるもので、
排泄に適した穴などが一切開いていないのです。
↑の歩行補助ハーネスはその辺りをクリアしているので、
どうにか上手く使えるようになると良いのですが。
週末はネット検索ばかりしていました。
針治療・灸・ツボなど様々出てくるのですが、
東洋医学は即効性はあまり期待できず、
数週間~数ヶ月を要することも……と書かれていたことから、
なかなか決断ができません。

温活中です。
これ、人間の肩を温めるものです。
レンチンすればOKなカイロが中に入っています。
10月4日、他の事情でかかりつけの病院へ。
坊主の太股に手を当てた先生、
「筋肉が、かなり落ちましたよね」と表情を暗くします。
「筋肉を付けること、曲げ伸ばしなどの運動をすること、
今はそれを頑張りましょう」
そう話す先生の顔に(あまり期待し過ぎない方が……)という気持ちが
透けて見えたような気がして、
色々な思いが頭の中を過ります。
それから、夫も同様に感じていたようなのですが、
どうも左後ろ脚の神経に問題があるように感じられます。
押したり擦ったりしても、反応が鈍いのです。
10月5日

私が胸の下に手を入れるだけで、
腰がへたり込んでしまうことなく立っていられるように。
ただ、これも長くは続きません。

面倒臭くなって、筋トレを放棄の坊ちゃん。
これまでは好き勝手にベランダへ出ていた坊ちゃん。
自由が利かなくなり不満も溜まっているだろうと思い、

ベランダにベッドを出しました。

微睡んでいます。
過干渉は良くないと思い暫く放置。


意外と、移動しています(笑)
10月7日、坊主をバギーに乗せ朝散歩へ。
トイレを済ませただけで早々に引き上げるのも可哀相なので、
刺激にでもなればと連れ回すことにしました。
あ、認知症とかではないでの、あまり効果はないかもですが。
先日病院で「先生、認知症とかではない?」と訊いたら、
「認知症では、ないです!」ときっぱり否定されました。
先生から見ると「表情がしっかりしている!」のだそうです。
話がズレてしまいましたが……。
この日はお腹の調子が微妙だったらしく、
オムツの中でユルウンをしてしまいました。
浴室で洗浄後、彼を少し待たせオムツの準備を整え戻ってみると、
坊主は足拭きマットの上でちょこんとお座りをしていました。
あ、そういう体勢は取れるんだ。
「おー、スゴイじゃん。ちゃんとお座りできるじゃん!」
興奮する私を見て、坊主はキョトンとしています。
身体の右側を拭き終えると坊主は徐に身体を起こし
「こっちも濡れてるよ」と言わんばかりに
私の方へもう一方の脇腹を見せました。
後ろ脚に不安はあるものの、
腹筋背筋を駆使し自らの意思で
身体の向きを変えることは可能なのです。
坊主を抱え上げる為「じゃあ、起っきしようか」そう声を掛けると、
「ん? 起きるの?」と耳をパタつかせた坊主、
「よっこいしょ」と言わんばかりに、
なんと、そこに、立ち上がってみせたのです。
え? ちょっと待って。
え? たもちゃん、立てたじゃん!
それは如何にも自然に、如何にも容易くやってのけた、
そんなふうに見えました。
しかしながら本人の表情にも不安の色が見えたので、
私は咄嗟に坊主を支え、彼もまた自身の身体を私に預けたのでした。
それでも……、
前半身で弾みをつけ、後ろ半身を右後ろ脚でグッと押し上げることが
まだ可能だということが分かり、
私は独り舞い上がっていました。
肩を震わせ泣く私に抱えられ戸惑いを隠せない様子の坊主の顔が、
洗面台の鏡に映っていました。
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