たもつの恩人
書こうとすると涙が止まらないのですが、
大切な思い出として書き残すことにしました。

たもつの幼馴染、ピーちゃん。
たもつの4ヵ月遅れで生まれた女の子です。
出会ったのはピーちゃんがお散歩デビューを果たした翌日。
同年代のワンコさんに出会えたのは初めてで、
その時のことは今でもとてもよく覚えています。
連絡先を交換した訳ではないけれど、
その後幾つかの偶然が重なり、
ピーちゃんとたもつは毎日のように散歩を共にする仲になりました。
とにかく元気が有り余っていた二人、
朝に2時間、夕に2時間を一緒に過ごすことも少なくなく、
「今日は5時間も一緒に遊んだ!」そんな日もありました。
朝に夕に会っては激しいワンプロを繰り広げる二人、
ピーちゃんのお父さんが持つ伸縮リードも、私が持つそれも、
驚く速さで壊れてしまい、
「また新しいのに買い替えたよ~」と報告し合うのも
日常の一コマとなりました。

ピーちゃんのお父さんの提案で、
二人を繋げちゃってます。
「たもちゃんのお母さんは休憩してていいよ、
オレが看てるからさ」
そう言って、二人まとめて面倒を看ていたのは、
いつもピーちゃんのお父さんの方でした。
ピーちゃんの写真は驚くほど少ないです。
毎度大暴れで写真に収められなかったというのもあるけれど、
毎日会うのが当たり前のことのようになっていて、
家族の日常を改めて撮らないのと同様、
こんな日常が明日も明後日も続くと信じていたからかもしれません。

ピーちゃんとたもつは、
初対面の時から相性がとても良かったように思います。
女の子のピーちゃんが、
ワンプロではいつもたもつに勝っていたのが、
仲良しを続けられていた理由かもしれません。
たもつはピーちゃんのお父さんのことも大好きでした。
川向うにその姿を見つけると、
橋を渡ってでも会いに行こうとしていたし、
私の指示は無視しても、
ピーちゃんのお父さんの言うことだけはよく聞きました。
首輪が外れて道路に飛び出しそうになった時も、
助けてくれたのはピーちゃんのお父さんでした。

ワイワイ集まってオヤツ交換。
この頃には会う頻度は減っていましたね。
公園で子供たちに追いかけられたのをきっかけに、
ピーちゃんが人の多い河原に来るのを
嫌がるようになってしまったからでした。
それでもたまに遭遇すると、
「ピーが怖がってさぁ。たもちゃんと遊べなくてごめんね」と、
お父さんは変わらぬ優しさでたもつに接してくれました。

ぽっちゃりしてきていた6歳のピーちゃん。
いつもお父さんべったりで、
晩酌の時もお父さんの膝から降りないような子でした。
「オレのおかずまでピーが食べちゃうんだよ」
(え? 大丈夫?)
「人間のもの食べさせちゃダメって言うけどさ。
オレより長生きしてピーが残っちゃうのは可哀相だからさ、
もう、好きなもの好きなように食べさせちゃってるの」
そう言って、ピーちゃんのお父さんは笑っていましたね。
ピーちゃんのお父さんは所謂下町の頑固オヤジで、
「犬の散歩にイチャモン付けられたから、
そこで知らないオヤジと喧嘩してきちゃったよ」なんて、
血の気の多い一面も持ち合わせていたのだけれど、
私たちにはいつもひたすら優しくて、
たもつをとっても可愛がってくれて、
一緒にいる空間にはいつも穏やかな空気が流れていました。
いつしか会う機会も減りましたが、
年と共に気難しくなってきていたたもつも
ピーちゃんのお父さんの手の心地良さはまだ覚えていて、
久しぶりに会った時にもうっとりとした表情で、
いつまでも撫でてもらっていました。
ピーちゃんの家は病院へ向かう途中の公園から
見える場所にあるのですが、
「あれ? もう雨戸が閉まってる」
「どうしたんだろう、今日も雨戸が閉まっているな」
そんなふうに案じていた昨年のある日、
「ピーちゃんのお父さん、体調が優れないらしいよ」
そうワンコ友達から聞かされることとなりました。
「入院をしていた時期もあり、
今は息子さんご家族のところにいるらしい」
そう聞いて妙に心がざわついたのを、
今でもはっきりと覚えています。
ピーちゃんのお父さん、亡くなったんだって……。
ワンコ友達が連絡をくれたのは、
先月半ばのことでした。
偶然に偶然が重なり、
ピーちゃんのご近所の方からお話を伺うこととなったようです。
お父さんが亡くなり、
その息子さんご家族と暮らすことになったピーちゃん。
お父さんべったりで、
たもつと同様年と共に他人にあまり懐かなくなっていたピーちゃん。
お父さん! ピーちゃんを残して逝っちゃダメじゃん!
突然大好きなお父さんを喪い
ピーちゃんがとても寂しい思いをしているのではないか、
そう思うととても胸が苦しいです。
息子さんご家族に馴れ、
ピーちゃんが心穏やかに過ごせていることを願うばかりです。
そして、たもつ家にとっての大恩人である、

ピーちゃんのお父さん。
いつまでも忘れません、
たくさんの大切な思い出をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
大切な思い出として書き残すことにしました。

たもつの幼馴染、ピーちゃん。
たもつの4ヵ月遅れで生まれた女の子です。
出会ったのはピーちゃんがお散歩デビューを果たした翌日。
同年代のワンコさんに出会えたのは初めてで、
その時のことは今でもとてもよく覚えています。
連絡先を交換した訳ではないけれど、
その後幾つかの偶然が重なり、
ピーちゃんとたもつは毎日のように散歩を共にする仲になりました。
とにかく元気が有り余っていた二人、
朝に2時間、夕に2時間を一緒に過ごすことも少なくなく、
「今日は5時間も一緒に遊んだ!」そんな日もありました。
朝に夕に会っては激しいワンプロを繰り広げる二人、
ピーちゃんのお父さんが持つ伸縮リードも、私が持つそれも、
驚く速さで壊れてしまい、
「また新しいのに買い替えたよ~」と報告し合うのも
日常の一コマとなりました。

ピーちゃんのお父さんの提案で、
二人を繋げちゃってます。
「たもちゃんのお母さんは休憩してていいよ、
オレが看てるからさ」
そう言って、二人まとめて面倒を看ていたのは、
いつもピーちゃんのお父さんの方でした。
ピーちゃんの写真は驚くほど少ないです。
毎度大暴れで写真に収められなかったというのもあるけれど、
毎日会うのが当たり前のことのようになっていて、
家族の日常を改めて撮らないのと同様、
こんな日常が明日も明後日も続くと信じていたからかもしれません。

ピーちゃんとたもつは、
初対面の時から相性がとても良かったように思います。
女の子のピーちゃんが、
ワンプロではいつもたもつに勝っていたのが、
仲良しを続けられていた理由かもしれません。
たもつはピーちゃんのお父さんのことも大好きでした。
川向うにその姿を見つけると、
橋を渡ってでも会いに行こうとしていたし、
私の指示は無視しても、
ピーちゃんのお父さんの言うことだけはよく聞きました。
首輪が外れて道路に飛び出しそうになった時も、
助けてくれたのはピーちゃんのお父さんでした。

ワイワイ集まってオヤツ交換。
この頃には会う頻度は減っていましたね。
公園で子供たちに追いかけられたのをきっかけに、
ピーちゃんが人の多い河原に来るのを
嫌がるようになってしまったからでした。
それでもたまに遭遇すると、
「ピーが怖がってさぁ。たもちゃんと遊べなくてごめんね」と、
お父さんは変わらぬ優しさでたもつに接してくれました。

ぽっちゃりしてきていた6歳のピーちゃん。
いつもお父さんべったりで、
晩酌の時もお父さんの膝から降りないような子でした。
「オレのおかずまでピーが食べちゃうんだよ」
(え? 大丈夫?)
「人間のもの食べさせちゃダメって言うけどさ。
オレより長生きしてピーが残っちゃうのは可哀相だからさ、
もう、好きなもの好きなように食べさせちゃってるの」
そう言って、ピーちゃんのお父さんは笑っていましたね。
ピーちゃんのお父さんは所謂下町の頑固オヤジで、
「犬の散歩にイチャモン付けられたから、
そこで知らないオヤジと喧嘩してきちゃったよ」なんて、
血の気の多い一面も持ち合わせていたのだけれど、
私たちにはいつもひたすら優しくて、
たもつをとっても可愛がってくれて、
一緒にいる空間にはいつも穏やかな空気が流れていました。
いつしか会う機会も減りましたが、
年と共に気難しくなってきていたたもつも
ピーちゃんのお父さんの手の心地良さはまだ覚えていて、
久しぶりに会った時にもうっとりとした表情で、
いつまでも撫でてもらっていました。
ピーちゃんの家は病院へ向かう途中の公園から
見える場所にあるのですが、
「あれ? もう雨戸が閉まってる」
「どうしたんだろう、今日も雨戸が閉まっているな」
そんなふうに案じていた昨年のある日、
「ピーちゃんのお父さん、体調が優れないらしいよ」
そうワンコ友達から聞かされることとなりました。
「入院をしていた時期もあり、
今は息子さんご家族のところにいるらしい」
そう聞いて妙に心がざわついたのを、
今でもはっきりと覚えています。
ピーちゃんのお父さん、亡くなったんだって……。
ワンコ友達が連絡をくれたのは、
先月半ばのことでした。
偶然に偶然が重なり、
ピーちゃんのご近所の方からお話を伺うこととなったようです。
お父さんが亡くなり、
その息子さんご家族と暮らすことになったピーちゃん。
お父さんべったりで、
たもつと同様年と共に他人にあまり懐かなくなっていたピーちゃん。
お父さん! ピーちゃんを残して逝っちゃダメじゃん!
突然大好きなお父さんを喪い
ピーちゃんがとても寂しい思いをしているのではないか、
そう思うととても胸が苦しいです。
息子さんご家族に馴れ、
ピーちゃんが心穏やかに過ごせていることを願うばかりです。
そして、たもつ家にとっての大恩人である、

ピーちゃんのお父さん。
いつまでも忘れません、
たくさんの大切な思い出をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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