心の準備
突然のご報告になりますが、
10月12日火曜日明け方、
私たちの大切な大切な子たもつが、
永眠いたしました。
ここからは最期まで闘い抜いたたもつと家族の記録です。
暗いの苦手という方は、
どうぞサイトを閉じてくださいね。
前回も書きましたが、
10月10日(日)は神田明神へお参りに。
オムツのお世話になっても、脚が立たなくなっても、
車に乗るのは全く問題ない!

家族みんな自信を高めたところでした。
明神さまの裏の公園、たもつもご機嫌です。
翌10月11日午後、かかりつけの病院へ。
4月末に受けた右下顎骨切除後、
徐々に噛み合わせに不快感を覚えるようになっていった坊ちゃん。

こうして頭を起こしている時には全く問題がないのですが、
身体を横たえる際頭部を斜めにしていくと、
どうしても噛み合わせにズレが生じてしまうようで。
横になろうとすると違和感、体勢を整え直そうとしても違和感、


枕の位置がピッタリとはまると良く眠ってくれるのですが、
そうでなければ噛み合わせを気にしてのたうち回ってばかり。
身体の沈む布団より
噛み合わせのズレない硬い場所で眠る方を好むようになってからは、
私もそれに付き合いフローリングの上で夜を明かしたことも。
それでも全く違和感がないという訳ではなく、
硬いフローリングの上で激しく動き回るので、
頭を打ち付けないようにと
身体を抱え込むように坊主の頭の下に腕を差し入れ、
撫でながら宥めながら時が過ぎるのをただ耐えて待つのみです。
差し出した腕はそのうち疲れて寝入った坊主の枕となるので、
私は微動だにせず冷えたフローリングの上で身体を凍らせます。
このままじゃ、共倒れになっちゃう。
噛み合わせをどうにかできないかと、かかりつけの病院へ。
診察室に入り先生から声を掛けられるも、
たもつの反応は薄いまま。
バギーから降ろし診察台に乗せるも、
後ろ脚を前に伸ばした状態でのお座りになってしまい、
なんだか力が入りません。
顎の状態を診てほしくレントゲン撮影をお願いしましたが、
顎にズレは見られず、問題はないとのことでした。
体重は更に減り、9キロを切ってしまっていました。
食べられないということ、特に「悪液質」が、
先生が最も懼れている事態のようでした。
※がん悪液質:
体重減少・骨格筋量減少・食欲不振で、
それに付随して倦怠感・疼痛・不安・抑うつなどが起こる。
食欲を刺激できないかと、
再び「レメロン」を処方してもらいました。
この日の食事は、午前中ほんの少しだけ口にした
手羽先の煮込み(ボーンブロススープ)のみでした。
食べ渋りが激しくてもこれだけは口にしていたヒルズの缶詰も、
この日は拒絶。
私が作った手羽先の煮込みが、
坊主が最期に口を付けてくれたものだと思うと、
それだけは救いになりました。
病院から帰宅後クリームチーズで薬を包み坊主の口元へ。
訳の分からないまま飲み込んだ様子でしたが、
クリームチーズをもう一かけら口に運んであげるも、
坊主はそれを嫌いました。
前日まで3日間便秘が続いていましたが、
この日の朝、夫を見送る前に
雄叫びを上げながら綺麗なウンチをしました。
その後、(恐らく)病院の診察室でウンチをしたので、
帰宅後オムツを脱がせ浴室へ。
それまでは(濡れて良いのはお尻周りだけ!)と気合を入れ、
前半身を上手に起こすことができていた坊ちゃんですが、
この日は前半身に全く力が入らない様子だったので、
左腕で頭を支え右手で尻周りにシャワーを当てるという力技で、
どうにか坊主の洗浄を終えました。
洗浄後、オムツを穿かせずリラックスさせていると、
坊主はこの日3度目のウンチをしました。
え? なんか……、オカシイ。
便秘続きだったのは確かなのですが、
それでも、こんなにどんどん出る?
お尻を拭ってみると、血液?のような赤い滲みが。
ウンチの状態はとても良かったのですが、
え? 血?
これ、やっぱりオカシイ。
身体の中を綺麗にし始めている?
これ、旅立ちの準備とかじゃないよね?
そういえば、今日はオシッコをしていない。
朝9時過ぎに河原に行き、1度だけオシッコをした後は、
夕方になってもオシッコは出ませんでした。
前日まではオムツの安心感からか
オシッコの頻度が増していた坊ちゃん。
「デトックスになるから良いことだよね」
「たまに横から漏れちゃうこともあるけれど、出ないよりはマシ」
夫ともそう話していたばかりでした。
オシッコが出ないって、すごく危ない。
心の準備が必要なのかもしれない……、
坊主を我が家に迎えて初めて、
そのことを思いました。
その後トイレに行きたいような素振りを見せたので、
バギーに乗せ河原へ。
やっぱりオムツが嫌なのかな、お外に行きたいって言ってるもんね。
薄暗くなった河原、
よそのワンコさんに邪魔されない辺りでバギーを止めると、
「たもちゃ~ん、降りてチッチしようか」
え? たもつの身体、冷たくない?
それでも、腹部の動きを確認できたことから、
更にたもつに声を掛け草の上に降りてみないかと促します。
たもつは頭を上げることもなく、
抱え上げてももう草の上に立つことはできないような気がしました。
朝はヨロヨロしながらも立つことができていたのに……。
圧迫排尿などせずに、
自力でしっかりオシッコを出すことができていたのに……。
帰宅後、クッションを枕にたもつを寝かせ様子を見ます。
噛み合わせの不快感に暴れることはありませんでしたが、
やはり何か、様子がオカシイ。
「オーン、オーン」
時折なぜか、哀しげな声を上げ鳴くのです。
「たもちゃん、大丈夫? たもちゃん、どうしたの?」
時計に目を遣ると、病院の診察受付時刻を過ぎていました。
もう、電話も繋がりません。
※ コロナ禍で診察に関する制約が厳しくなっていました。
少しでも早く帰れないかと夫に電話をしますが、
全く気付いてくれません。
電話を掛け始めてから20分ほどが過ぎた頃、
ようやく夫から連絡が入りました。
「たもつが変、救急に連れて行きたいんだけど!」
電話を切ると、たもつは未だ不安げな声で鳴き続けています。
「○○(←夫の名)もう帰ってくるよ。もうすぐよ、頑張ろうね」
「○○(←夫の名)すぐ帰ってくるからね」
夫の名を出すと、それまで不安げな声を上げ続けていたたもつが、
目を瞬かせ反応を見せてくれました。
たもつは昔からウィンクで気持ちを返してくれる子だったので、
(大丈夫! ちゃんと分かってくれてる、意識はしっかりしてる!)
そう確信を持ち、その後もたもつのことを励まし続けました。
連絡が取れてから約30分、夫が帰宅しました。
夜間救急の病院に電話を入れ、慌てて準備。
その時の状態を医師に見せる為、夫が撮影しました。
病院へ運ぶ為たもつを抱え上げると、
「あー、ダメだー」
夫は悲痛な声を上げました。
見ると、
抱き上げられたたもつは上半身をぐったりとさせ、
口からは夥しい涎がダラダラと滴り落ちていました。
長くなるので続きます。
10月12日火曜日明け方、
私たちの大切な大切な子たもつが、
永眠いたしました。
ここからは最期まで闘い抜いたたもつと家族の記録です。
暗いの苦手という方は、
どうぞサイトを閉じてくださいね。
前回も書きましたが、
10月10日(日)は神田明神へお参りに。
オムツのお世話になっても、脚が立たなくなっても、
車に乗るのは全く問題ない!

家族みんな自信を高めたところでした。
明神さまの裏の公園、たもつもご機嫌です。
翌10月11日午後、かかりつけの病院へ。
4月末に受けた右下顎骨切除後、
徐々に噛み合わせに不快感を覚えるようになっていった坊ちゃん。

こうして頭を起こしている時には全く問題がないのですが、
身体を横たえる際頭部を斜めにしていくと、
どうしても噛み合わせにズレが生じてしまうようで。
横になろうとすると違和感、体勢を整え直そうとしても違和感、


枕の位置がピッタリとはまると良く眠ってくれるのですが、
そうでなければ噛み合わせを気にしてのたうち回ってばかり。
身体の沈む布団より
噛み合わせのズレない硬い場所で眠る方を好むようになってからは、
私もそれに付き合いフローリングの上で夜を明かしたことも。
それでも全く違和感がないという訳ではなく、
硬いフローリングの上で激しく動き回るので、
頭を打ち付けないようにと
身体を抱え込むように坊主の頭の下に腕を差し入れ、
撫でながら宥めながら時が過ぎるのをただ耐えて待つのみです。
差し出した腕はそのうち疲れて寝入った坊主の枕となるので、
私は微動だにせず冷えたフローリングの上で身体を凍らせます。
このままじゃ、共倒れになっちゃう。
噛み合わせをどうにかできないかと、かかりつけの病院へ。
診察室に入り先生から声を掛けられるも、
たもつの反応は薄いまま。
バギーから降ろし診察台に乗せるも、
後ろ脚を前に伸ばした状態でのお座りになってしまい、
なんだか力が入りません。
顎の状態を診てほしくレントゲン撮影をお願いしましたが、
顎にズレは見られず、問題はないとのことでした。
体重は更に減り、9キロを切ってしまっていました。
食べられないということ、特に「悪液質」が、
先生が最も懼れている事態のようでした。
※がん悪液質:
体重減少・骨格筋量減少・食欲不振で、
それに付随して倦怠感・疼痛・不安・抑うつなどが起こる。
食欲を刺激できないかと、
再び「レメロン」を処方してもらいました。
この日の食事は、午前中ほんの少しだけ口にした
手羽先の煮込み(ボーンブロススープ)のみでした。
食べ渋りが激しくてもこれだけは口にしていたヒルズの缶詰も、
この日は拒絶。
私が作った手羽先の煮込みが、
坊主が最期に口を付けてくれたものだと思うと、
それだけは救いになりました。
病院から帰宅後クリームチーズで薬を包み坊主の口元へ。
訳の分からないまま飲み込んだ様子でしたが、
クリームチーズをもう一かけら口に運んであげるも、
坊主はそれを嫌いました。
前日まで3日間便秘が続いていましたが、
この日の朝、夫を見送る前に
雄叫びを上げながら綺麗なウンチをしました。
その後、(恐らく)病院の診察室でウンチをしたので、
帰宅後オムツを脱がせ浴室へ。
それまでは(濡れて良いのはお尻周りだけ!)と気合を入れ、
前半身を上手に起こすことができていた坊ちゃんですが、
この日は前半身に全く力が入らない様子だったので、
左腕で頭を支え右手で尻周りにシャワーを当てるという力技で、
どうにか坊主の洗浄を終えました。
洗浄後、オムツを穿かせずリラックスさせていると、
坊主はこの日3度目のウンチをしました。
え? なんか……、オカシイ。
便秘続きだったのは確かなのですが、
それでも、こんなにどんどん出る?
お尻を拭ってみると、血液?のような赤い滲みが。
ウンチの状態はとても良かったのですが、
え? 血?
これ、やっぱりオカシイ。
身体の中を綺麗にし始めている?
これ、旅立ちの準備とかじゃないよね?
そういえば、今日はオシッコをしていない。
朝9時過ぎに河原に行き、1度だけオシッコをした後は、
夕方になってもオシッコは出ませんでした。
前日まではオムツの安心感からか
オシッコの頻度が増していた坊ちゃん。
「デトックスになるから良いことだよね」
「たまに横から漏れちゃうこともあるけれど、出ないよりはマシ」
夫ともそう話していたばかりでした。
オシッコが出ないって、すごく危ない。
心の準備が必要なのかもしれない……、
坊主を我が家に迎えて初めて、
そのことを思いました。
その後トイレに行きたいような素振りを見せたので、
バギーに乗せ河原へ。
やっぱりオムツが嫌なのかな、お外に行きたいって言ってるもんね。
薄暗くなった河原、
よそのワンコさんに邪魔されない辺りでバギーを止めると、
「たもちゃ~ん、降りてチッチしようか」
え? たもつの身体、冷たくない?
それでも、腹部の動きを確認できたことから、
更にたもつに声を掛け草の上に降りてみないかと促します。
たもつは頭を上げることもなく、
抱え上げてももう草の上に立つことはできないような気がしました。
朝はヨロヨロしながらも立つことができていたのに……。
圧迫排尿などせずに、
自力でしっかりオシッコを出すことができていたのに……。
帰宅後、クッションを枕にたもつを寝かせ様子を見ます。
噛み合わせの不快感に暴れることはありませんでしたが、
やはり何か、様子がオカシイ。
「オーン、オーン」
時折なぜか、哀しげな声を上げ鳴くのです。
「たもちゃん、大丈夫? たもちゃん、どうしたの?」
時計に目を遣ると、病院の診察受付時刻を過ぎていました。
もう、電話も繋がりません。
※ コロナ禍で診察に関する制約が厳しくなっていました。
少しでも早く帰れないかと夫に電話をしますが、
全く気付いてくれません。
電話を掛け始めてから20分ほどが過ぎた頃、
ようやく夫から連絡が入りました。
「たもつが変、救急に連れて行きたいんだけど!」
電話を切ると、たもつは未だ不安げな声で鳴き続けています。
「○○(←夫の名)もう帰ってくるよ。もうすぐよ、頑張ろうね」
「○○(←夫の名)すぐ帰ってくるからね」
夫の名を出すと、それまで不安げな声を上げ続けていたたもつが、
目を瞬かせ反応を見せてくれました。
たもつは昔からウィンクで気持ちを返してくれる子だったので、
(大丈夫! ちゃんと分かってくれてる、意識はしっかりしてる!)
そう確信を持ち、その後もたもつのことを励まし続けました。
連絡が取れてから約30分、夫が帰宅しました。
夜間救急の病院に電話を入れ、慌てて準備。
その時の状態を医師に見せる為、夫が撮影しました。
病院へ運ぶ為たもつを抱え上げると、
「あー、ダメだー」
夫は悲痛な声を上げました。
見ると、
抱き上げられたたもつは上半身をぐったりとさせ、
口からは夥しい涎がダラダラと滴り落ちていました。
長くなるので続きます。
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