几帳面な犬
なんやかんや落ち着かず、
またブログ放置になってしまいました。
実は先日、坊主がまたまた前庭疾患を発症しました。
えー、これで一体何回目だー?
最初の発症は昨年3月、繰り返すうちに症状は軽くなり、
本犬も飼い主もすっかり慣れた……と、そんなつもりでいたのですが。
発症したのは金曜日の午後3時過ぎ。
坊主が私の背後を通り、廊下の方へ歩いていく姿は
目の端に留まっていました。
その直後のことです。
タタン!
フローリングを叩く不規則な音。
? ? ?
え!?
思わず振り返る坊主、目が合うふたり。
……って、え? ダメでしょ、それ!
坊主の身体がグワンと揺れるのを見逃さなかった私、
咄嗟に彼の身体を抱き止めました。
眼を見ると、既に眼振が始まっています。
あー、これ、前庭疾患じゃん。
大丈夫、たもつも私もこの状態には慣れている。
大丈夫、落ち着いた声で励まし続ければ、
状態は次第に良くなってくる筈。
そっか、この状態を録画しておかなくちゃ!
※症状を録画しておくのは治療の上で有効なのです。
あー、スマホはテーブルの上だわ。
たもつから手を離せないし、どうしよう。
暫くすると少し落ち着いたように見えたので、
一瞬手を離しスマホを取りに移動。
録画をしようとするも、首をグワングワン振っているので、
スマホの操作も容易くない。
どうしよう、もう少し様子を見る?
病院に電話だけでもしておこうか……。
それでも過去数回はとても軽症で、
病院へ向かう途中症状が治まるようなこともあった為、
診察枠を取ってしまうことへの躊躇いも。
どうしよう……。
迷っているうちに坊主の動きが激しくなってきました。
え? 口の噛み合わせが気持ち悪い?
なんでまたこんな時に?
とにかく身体の揺れが治まる気がしなかったので、
病院へ電話。
眼振中。
たもつを置き準備をしていると、
四肢を突っ張り意識を消失したかと見紛うほど、
ジッとして動かない数秒間があり、
これはもう躊躇ってる場合なんかじゃない!と覚悟しました。
久しぶりに症状が重いわ。
……って、ありゃりゃ、失禁してるしー。
坊主の身体を起こしながら床の尿を拭うと、
私は少々湿っぽいままのたもつをバギーの中に放り込みました。
病院への道を急ぎますが、
気が急くばかりで足が思うように前へと出ません。
あぁ、筋トレしとけばヨカッタよー。
途中たもつは気持ち悪そうに噛み合わせを気にして暴れたり、
そうかと思うと急にジッとして動かなくなったり、
こちらも気が気ではありません。
20分ほどで病院に到着。
眼振は酷く、息遣いも荒いままです。
先生は暫く様子を見た後、
「たもさん、お熱を計らせてくれるかなぁ」と口にしました。
え?
いやいや。
起き上がれるような状態じゃあないし。
「先生、バギーから降ろせるような気がしないー」そう伝えると、
バギー乗車のまま点滴と酸素吸入をすることになりました。
点滴はラクテック(電解質液)と
(たぶん)セレニア(制吐剤)と抗炎症剤。
バギーから降りられなかった為酸素室には入れず、
鼻先に酸素チューブを持ってくる形で酸素を吸入してもらいました。
点滴を始めて数分後、突然呼吸が荒くなる坊主。
え? なに? どした?
緊張感が走る診察室。
あ……、吐いた。
出てきたのはほぼ未消化のフードとマグロの血合い。
そう言えば……、今日はあまり食欲がなかったかも。
吐いてスッキリしたからか、
その後坊主の呼吸はようやく落ち着き、
あとは眼振が止まるのを待つだけです。
……にしても、この日は眼振がなかなか止まらず。
これって、ずーっと船酔いしているような状態だよね。
眼振が止まらなかったら、自力で立つのも難しいよね。
家に帰っても、危なっかしくてバギーから降ろせないよ。
先生も「今日は晩ご飯抜きになっちゃうかな」と。
「身体を横たえた状態で嘔吐すると、誤嚥に繋がるので」
とのことでした。
「水は飲んでも?」と訊くと、「水くらいなら大丈夫かな」と。
とにかく「立てるようにならないと食べない方が良い」とのことで、
これは、今日は立てるまでの回復は難しいってこと?と
不安は募ります。
結局病院に着いてから2時間ほどが経過してから、
坊主の眼振は治まりました。
「ゆっくりしていって良いよ。寝ちゃっても良いからね」と
温かく見守ってくださった先生方や看護師さんたち、
本当に有り難かったです。
今日は頭を起こすことも難しいかなと心配でしたが、
病院を出てみると、

しっかりお座りができるようになっていました。
帰りの河原、坊主はもうバギーから降りたがっていましたが、
ハーネスもリードもなしで連れて行っていたので、
勿論降ろすことはできません。
……っていうか、まだふら付くだろうから無理!
帰宅後も降ろさず、
私が家事を済ませるまでの間、
バギー乗車のまま居間にいてもらいました。

寝ちゃった?

それでも降ろしてもらえないことに不満げ。
……で、

このままウトウトに突入。
診察中は「今晩はバギーで寝てもらった方が良いかなぁ」なんて、
それくらいの不安を感じていたのですが、
いざ降ろしてみると、坊主はしっかりと立つことができていました。
ふら付きも見られず、水皿へと一直線。
水をがぶ飲みし、
骨を切除した右頬側から豪快に水を撒き散らしています。
大丈夫そう……かな。
これまでは処置後もふら付きが残り一切目を離すことができず、
うろつく後ろを付いて回らなければならないことが常だったのですが、
今回はそのようなことはありませんでした。
眼振が治まるのに時間を要しましたが、
ふら付きが残らなかったのは大きな安心材料です。
ふら付いて転倒されると大怪我に繋がりかねず、
一時も目を離すことができないからです。
しかしながら……、
坊主の前庭疾患、判を押したように3ヶ月周期でやってきます。
昨年は、3月・6月・9月・12月(2回)の計5回。
今年は3月、そして今回の6月。
先生も「そんなに几帳面に3ヶ月周期でならなくても……」と苦笑い。
他に患者さんが少なかったこともあり、先生と色々と話したのですが、
先生曰く
「柴犬はどうしても血が濃くなっちゃっているので、
免疫系で弱い子が多いです」とのことでした。
柴犬って絶滅危機を乗り越えてきた犬なんですよね。
そう考えると巷でよく言われている「ミックス犬は強い」という説が、
ますます信憑性を帯びてきます。
帰宅後暫くすると、「なんか食べるー」との要求が。
でも……、食べて嘔吐した時が心配だよねぇ。
あ、制吐剤入れてるから大丈夫かな。
先生も「立てるようになったら食べて良し」と言ってたし。
恐る恐る出したヨーグルトを、坊主は瞬殺でペロリ。
その後も食欲は止まるところを知らず、
結局ササミもペロリ。
フードに口を付けるようになるまで1日以上を要しましたが、
今はもう食欲モリモリに戻りました。
犬は前庭疾患に慣れると言うけれど、
それでもやはり「意識消失?」を思わせるあの状態に、
飼い主はまだ慣れることができません。
4月のCT検査で、坊主の前庭疾患は「中枢神経系」のものでも
「末梢神経系」のものでもないだろうということが分かっています。
老犬特有「特発性」のものだということならば、
これはもう予防のしようのないことなのです。
心臓がいくつあっても足りないよー。
どうかもう、坊主の目が回るようなことが起きませんように。
どうか坊主がずーっと安心して過ごすことができますように。

もう普通の生活に戻っています。
それから、前庭疾患とは関係ないのですが……。
坊主の首のところの毛、未だ生え揃ってはおりません。
実は先日(……っていうか随分前だけど)
「これは『バリカン脱毛(毛刈り脱毛)』では?」と
教えてくださる方がいました。
初めて聞くその言葉、早速検索してみると、
この「バリカン脱毛(毛刈り脱毛)」に悩む飼い主さんが
結構いらっしゃることを知りました。
それでも「いつかは生えてくる!」ということを知ることができ、
勇気を頂きましたよ。
暫くは禿げ散らかしたお見苦しい状態ですが、
どうぞご勘弁くださいませね。
またブログ放置になってしまいました。
実は先日、坊主がまたまた前庭疾患を発症しました。
えー、これで一体何回目だー?
最初の発症は昨年3月、繰り返すうちに症状は軽くなり、
本犬も飼い主もすっかり慣れた……と、そんなつもりでいたのですが。
発症したのは金曜日の午後3時過ぎ。
坊主が私の背後を通り、廊下の方へ歩いていく姿は
目の端に留まっていました。
その直後のことです。
タタン!
フローリングを叩く不規則な音。
? ? ?
え!?
思わず振り返る坊主、目が合うふたり。
……って、え? ダメでしょ、それ!
坊主の身体がグワンと揺れるのを見逃さなかった私、
咄嗟に彼の身体を抱き止めました。
眼を見ると、既に眼振が始まっています。
あー、これ、前庭疾患じゃん。
大丈夫、たもつも私もこの状態には慣れている。
大丈夫、落ち着いた声で励まし続ければ、
状態は次第に良くなってくる筈。
そっか、この状態を録画しておかなくちゃ!
※症状を録画しておくのは治療の上で有効なのです。
あー、スマホはテーブルの上だわ。
たもつから手を離せないし、どうしよう。
暫くすると少し落ち着いたように見えたので、
一瞬手を離しスマホを取りに移動。
録画をしようとするも、首をグワングワン振っているので、
スマホの操作も容易くない。
どうしよう、もう少し様子を見る?
病院に電話だけでもしておこうか……。
それでも過去数回はとても軽症で、
病院へ向かう途中症状が治まるようなこともあった為、
診察枠を取ってしまうことへの躊躇いも。
どうしよう……。
迷っているうちに坊主の動きが激しくなってきました。
え? 口の噛み合わせが気持ち悪い?
なんでまたこんな時に?
とにかく身体の揺れが治まる気がしなかったので、
病院へ電話。
眼振中。
たもつを置き準備をしていると、
四肢を突っ張り意識を消失したかと見紛うほど、
ジッとして動かない数秒間があり、
これはもう躊躇ってる場合なんかじゃない!と覚悟しました。
久しぶりに症状が重いわ。
……って、ありゃりゃ、失禁してるしー。
坊主の身体を起こしながら床の尿を拭うと、
私は少々湿っぽいままのたもつをバギーの中に放り込みました。
病院への道を急ぎますが、
気が急くばかりで足が思うように前へと出ません。
あぁ、筋トレしとけばヨカッタよー。
途中たもつは気持ち悪そうに噛み合わせを気にして暴れたり、
そうかと思うと急にジッとして動かなくなったり、
こちらも気が気ではありません。
20分ほどで病院に到着。
眼振は酷く、息遣いも荒いままです。
先生は暫く様子を見た後、
「たもさん、お熱を計らせてくれるかなぁ」と口にしました。
え?
いやいや。
起き上がれるような状態じゃあないし。
「先生、バギーから降ろせるような気がしないー」そう伝えると、
バギー乗車のまま点滴と酸素吸入をすることになりました。
点滴はラクテック(電解質液)と
(たぶん)セレニア(制吐剤)と抗炎症剤。
バギーから降りられなかった為酸素室には入れず、
鼻先に酸素チューブを持ってくる形で酸素を吸入してもらいました。
点滴を始めて数分後、突然呼吸が荒くなる坊主。
え? なに? どした?
緊張感が走る診察室。
あ……、吐いた。
出てきたのはほぼ未消化のフードとマグロの血合い。
そう言えば……、今日はあまり食欲がなかったかも。
吐いてスッキリしたからか、
その後坊主の呼吸はようやく落ち着き、
あとは眼振が止まるのを待つだけです。
……にしても、この日は眼振がなかなか止まらず。
これって、ずーっと船酔いしているような状態だよね。
眼振が止まらなかったら、自力で立つのも難しいよね。
家に帰っても、危なっかしくてバギーから降ろせないよ。
先生も「今日は晩ご飯抜きになっちゃうかな」と。
「身体を横たえた状態で嘔吐すると、誤嚥に繋がるので」
とのことでした。
「水は飲んでも?」と訊くと、「水くらいなら大丈夫かな」と。
とにかく「立てるようにならないと食べない方が良い」とのことで、
これは、今日は立てるまでの回復は難しいってこと?と
不安は募ります。
結局病院に着いてから2時間ほどが経過してから、
坊主の眼振は治まりました。
「ゆっくりしていって良いよ。寝ちゃっても良いからね」と
温かく見守ってくださった先生方や看護師さんたち、
本当に有り難かったです。
今日は頭を起こすことも難しいかなと心配でしたが、
病院を出てみると、

しっかりお座りができるようになっていました。
帰りの河原、坊主はもうバギーから降りたがっていましたが、
ハーネスもリードもなしで連れて行っていたので、
勿論降ろすことはできません。
……っていうか、まだふら付くだろうから無理!
帰宅後も降ろさず、
私が家事を済ませるまでの間、
バギー乗車のまま居間にいてもらいました。

寝ちゃった?

それでも降ろしてもらえないことに不満げ。
……で、

このままウトウトに突入。
診察中は「今晩はバギーで寝てもらった方が良いかなぁ」なんて、
それくらいの不安を感じていたのですが、
いざ降ろしてみると、坊主はしっかりと立つことができていました。
ふら付きも見られず、水皿へと一直線。
水をがぶ飲みし、
骨を切除した右頬側から豪快に水を撒き散らしています。
大丈夫そう……かな。
これまでは処置後もふら付きが残り一切目を離すことができず、
うろつく後ろを付いて回らなければならないことが常だったのですが、
今回はそのようなことはありませんでした。
眼振が治まるのに時間を要しましたが、
ふら付きが残らなかったのは大きな安心材料です。
ふら付いて転倒されると大怪我に繋がりかねず、
一時も目を離すことができないからです。
しかしながら……、
坊主の前庭疾患、判を押したように3ヶ月周期でやってきます。
昨年は、3月・6月・9月・12月(2回)の計5回。
今年は3月、そして今回の6月。
先生も「そんなに几帳面に3ヶ月周期でならなくても……」と苦笑い。
他に患者さんが少なかったこともあり、先生と色々と話したのですが、
先生曰く
「柴犬はどうしても血が濃くなっちゃっているので、
免疫系で弱い子が多いです」とのことでした。
柴犬って絶滅危機を乗り越えてきた犬なんですよね。
そう考えると巷でよく言われている「ミックス犬は強い」という説が、
ますます信憑性を帯びてきます。
帰宅後暫くすると、「なんか食べるー」との要求が。
でも……、食べて嘔吐した時が心配だよねぇ。
あ、制吐剤入れてるから大丈夫かな。
先生も「立てるようになったら食べて良し」と言ってたし。
恐る恐る出したヨーグルトを、坊主は瞬殺でペロリ。
その後も食欲は止まるところを知らず、
結局ササミもペロリ。
フードに口を付けるようになるまで1日以上を要しましたが、
今はもう食欲モリモリに戻りました。
犬は前庭疾患に慣れると言うけれど、
それでもやはり「意識消失?」を思わせるあの状態に、
飼い主はまだ慣れることができません。
4月のCT検査で、坊主の前庭疾患は「中枢神経系」のものでも
「末梢神経系」のものでもないだろうということが分かっています。
老犬特有「特発性」のものだということならば、
これはもう予防のしようのないことなのです。
心臓がいくつあっても足りないよー。
どうかもう、坊主の目が回るようなことが起きませんように。
どうか坊主がずーっと安心して過ごすことができますように。

もう普通の生活に戻っています。
それから、前庭疾患とは関係ないのですが……。
坊主の首のところの毛、未だ生え揃ってはおりません。
実は先日(……っていうか随分前だけど)
「これは『バリカン脱毛(毛刈り脱毛)』では?」と
教えてくださる方がいました。
初めて聞くその言葉、早速検索してみると、
この「バリカン脱毛(毛刈り脱毛)」に悩む飼い主さんが
結構いらっしゃることを知りました。
それでも「いつかは生えてくる!」ということを知ることができ、
勇気を頂きましたよ。
暫くは禿げ散らかしたお見苦しい状態ですが、
どうぞご勘弁くださいませね。
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