17歳
毎度重苦しい話にお付き合い頂き、
ありがとうございます。
退院まで突っ走るつもりなので、ご容赦ください。
4月11日(日)
夫と相談し、
早々に手術の予定を組んでもらおうということになりました。
検査をしたのはまだ前日のこと、
病理も他の先生の画像診断もまだ結果が出ていませんでしたが、
日程だけは押さえておきたいと考えたのです。
実は前日病院で話をした際
「手術の予定が埋まっていて、やるとしたら1ヶ月くらい先に」と
そう言われていました。
「明日にも切ってほしい」そう考えていた私の中には
(1ヶ月なんて待てない!)そんな焦りもありました。
病院に連絡してみると、
私たちの決断の速さに先生は驚いた様子でした。
それでも「外科の先生とも話したのですが、
『これ、早く(切除手術)やりたいよね』という話になっていて。
(通常の手術日以外の曜日で)イレギュラーになりますが、
早めに手術を入れることができそうです」との
回答を頂くことができました。
(これは「せっかく転移が見られない状態なのだから、
早く切除し根治を目指そう」ということなのかもしれない)
目の前が明るくなった、そんな気がしていました。
4月14日(水)
高度医療センターK先生より連絡があり、
手術日は27日(火)と決まりました。
それでもまだ2週間も待たなければならなかったのですが、
今の段階でできることはもうないという事実が、
私たちを冷静にさせました。
切除部分については、
「L字の顎部分は残す。犬歯は残す。
(L字より前 ⇔ 犬歯より後ろ)を切除」とのこと。
但し「術日までにデキモノの範囲に変化があった場合は、
切除部分に変更がでる可能性もある」とのことでした。
その後も日々たもつの様子を確認していましたが、
口を頻りに気にしているのが気掛かりでした。
大きく欠伸をした後など、
少し引っ掛かりがあるようにも見えました。
(デキモノが途轍もないスピードで大きくなってきているのかも)

たもつの散歩をしていても、
清々しく晴れた日ほど、空が澄んでいればいるほど、
気持ちが燻るのを感じていました。
(たもつのいない世界なんて……、漆黒の闇だよ)←夫の立場は?
(たもつがもしいなくなったら、
私、生きてる意味あるかな?)←だから、夫の立場!
そう言えば以前夫の実家で、
「たもつに何かあったら、私も後を追っちゃうかも~」と口にし、
夫の両親を凍り付かせたことがあったなぁと、
そんなことを思い出していました。
4月18日(日)
家族で神田明神へ向かいました。

私たちにはもう「神頼み」しか残されていませんでした。
飼い主の無力無責任を痛感させられますが、
今はそんなことは言っていられません。
夕刻、高度医療センターK先生より電話があり、
「病理検査の結果、メラノーマと確定」との連絡が入りました。
CT検査の日既にそう告げられていたこともあり、
死体に鞭打たれたようなそんな気分になりました。


入院前日、いつも通りのスンスン。
おかしな話ですが、
私の中では「17歳」という年齢に強い拘りがありました。
たもつが子供の頃とても慕っていたワンコさん、
その子が虹の橋を渡ったのが17歳の時。
その子とたもつは見た目がとても似ていて、
飼い主同士が取り違えそうになることも度々だったのです。
(たもつも彼のように健康で長生きを)
(是非とも17歳までは頑張ってほしい)
「たもつを17歳まで!」
それがいつしか私の目標にもなっていました。
河原でたもつに目を遣り「後3年はいけるよ」と口にした男性に対し、
(3年? もっと生きるよ!)と憤ったのはつい先日のこと。
それが今は(3年? それだけ生きたらもう万々歳よ!)と
有り難く思えるようになるのですから、なんとも身勝手な話です。
4月10日にCT検査を行った際、
先生からは残りの時間についてもお話がありました。
夫が「もし今何もせず、肺に転移などしたら?」と訊くと、
「夏……くらいまででしょうか」と。
そして「切除して、転移がなければ?」と訊くと、
「1年……というところでしょうか」
(まだ1年ある!)
それは強がりでも何でもなく、正直な気持ちでした。
実はそれくらいの覚悟が、
私の、そして恐らく夫の中にも既にありました。
17歳……、今は途轍もなく高い目標になりました。
ただ、今はそれより「たもつがどれだけ快適に過ごせるか、
日々を楽しく生きられるか」それが重要です。

患っているように見えないのが、
嬉しいような哀しいような。
それから、手術への心配も勿論ありましたが、
入院生活に関しても少々心配事が発生していました。
数ヶ月前にお友達ワンコさんが脚の外科手術を受けたのですが、
入院中「食べない、トイレをしない」で、
予定より早い退院を促されてしまったそうです。
病院でしっかり療養できなかったからか、
回復に時間が掛かってしまったと、飼い主さん嘆いていました。
これは、たもつにも当てはまりそうな事案です。
その後かかりつけ医にその話をすると、
「あぁ、実は結構ある話なんですよねぇ」とのことで、
傍らにいた看護師さんも苦笑いで頷いておりました。
(今更トイトレとか無理だしー!)
……続きます。
ありがとうございます。
退院まで突っ走るつもりなので、ご容赦ください。
4月11日(日)
夫と相談し、
早々に手術の予定を組んでもらおうということになりました。
検査をしたのはまだ前日のこと、
病理も他の先生の画像診断もまだ結果が出ていませんでしたが、
日程だけは押さえておきたいと考えたのです。
実は前日病院で話をした際
「手術の予定が埋まっていて、やるとしたら1ヶ月くらい先に」と
そう言われていました。
「明日にも切ってほしい」そう考えていた私の中には
(1ヶ月なんて待てない!)そんな焦りもありました。
病院に連絡してみると、
私たちの決断の速さに先生は驚いた様子でした。
それでも「外科の先生とも話したのですが、
『これ、早く(切除手術)やりたいよね』という話になっていて。
(通常の手術日以外の曜日で)イレギュラーになりますが、
早めに手術を入れることができそうです」との
回答を頂くことができました。
(これは「せっかく転移が見られない状態なのだから、
早く切除し根治を目指そう」ということなのかもしれない)
目の前が明るくなった、そんな気がしていました。
4月14日(水)
高度医療センターK先生より連絡があり、
手術日は27日(火)と決まりました。
それでもまだ2週間も待たなければならなかったのですが、
今の段階でできることはもうないという事実が、
私たちを冷静にさせました。
切除部分については、
「L字の顎部分は残す。犬歯は残す。
(L字より前 ⇔ 犬歯より後ろ)を切除」とのこと。
但し「術日までにデキモノの範囲に変化があった場合は、
切除部分に変更がでる可能性もある」とのことでした。
その後も日々たもつの様子を確認していましたが、
口を頻りに気にしているのが気掛かりでした。
大きく欠伸をした後など、
少し引っ掛かりがあるようにも見えました。
(デキモノが途轍もないスピードで大きくなってきているのかも)

たもつの散歩をしていても、
清々しく晴れた日ほど、空が澄んでいればいるほど、
気持ちが燻るのを感じていました。
(たもつのいない世界なんて……、漆黒の闇だよ)←夫の立場は?
(たもつがもしいなくなったら、
私、生きてる意味あるかな?)←だから、夫の立場!
そう言えば以前夫の実家で、
「たもつに何かあったら、私も後を追っちゃうかも~」と口にし、
夫の両親を凍り付かせたことがあったなぁと、
そんなことを思い出していました。
4月18日(日)
家族で神田明神へ向かいました。

私たちにはもう「神頼み」しか残されていませんでした。
飼い主の無力無責任を痛感させられますが、
今はそんなことは言っていられません。
夕刻、高度医療センターK先生より電話があり、
「病理検査の結果、メラノーマと確定」との連絡が入りました。
CT検査の日既にそう告げられていたこともあり、
死体に鞭打たれたようなそんな気分になりました。


入院前日、いつも通りのスンスン。
おかしな話ですが、
私の中では「17歳」という年齢に強い拘りがありました。
たもつが子供の頃とても慕っていたワンコさん、
その子が虹の橋を渡ったのが17歳の時。
その子とたもつは見た目がとても似ていて、
飼い主同士が取り違えそうになることも度々だったのです。
(たもつも彼のように健康で長生きを)
(是非とも17歳までは頑張ってほしい)
「たもつを17歳まで!」
それがいつしか私の目標にもなっていました。
河原でたもつに目を遣り「後3年はいけるよ」と口にした男性に対し、
(3年? もっと生きるよ!)と憤ったのはつい先日のこと。
それが今は(3年? それだけ生きたらもう万々歳よ!)と
有り難く思えるようになるのですから、なんとも身勝手な話です。
4月10日にCT検査を行った際、
先生からは残りの時間についてもお話がありました。
夫が「もし今何もせず、肺に転移などしたら?」と訊くと、
「夏……くらいまででしょうか」と。
そして「切除して、転移がなければ?」と訊くと、
「1年……というところでしょうか」
(まだ1年ある!)
それは強がりでも何でもなく、正直な気持ちでした。
実はそれくらいの覚悟が、
私の、そして恐らく夫の中にも既にありました。
17歳……、今は途轍もなく高い目標になりました。
ただ、今はそれより「たもつがどれだけ快適に過ごせるか、
日々を楽しく生きられるか」それが重要です。

患っているように見えないのが、
嬉しいような哀しいような。
それから、手術への心配も勿論ありましたが、
入院生活に関しても少々心配事が発生していました。
数ヶ月前にお友達ワンコさんが脚の外科手術を受けたのですが、
入院中「食べない、トイレをしない」で、
予定より早い退院を促されてしまったそうです。
病院でしっかり療養できなかったからか、
回復に時間が掛かってしまったと、飼い主さん嘆いていました。
これは、たもつにも当てはまりそうな事案です。
その後かかりつけ医にその話をすると、
「あぁ、実は結構ある話なんですよねぇ」とのことで、
傍らにいた看護師さんも苦笑いで頷いておりました。
(今更トイトレとか無理だしー!)
……続きます。
スポンサーサイト