ありがとう、音吉さん

音吉(おときち)さん。
ベルジアンタービュレンとマリノアとのミックスさん。
1年前の10月15日、
虹の橋を渡りました。
彼と出会ったのは、
たもつがまだ生後半年にも満たない時期、
出逢う子出逢う子ご挨拶させて頂き、
お友達になってもらえるかしらと
手探りしながら歩いていた頃のことでした。
先に声を掛けてくれたのは、
公園の中に居た彼の飼い主さんの方。
「柴ちゃん、ですよね?」
「あ、はい!」
「音、おいで~」
彼女の声に反応を見せたのは、
幼いたもつに比べ何倍も大きく見えたワンコさん。
ゆっくり歩み寄ってきた彼は、
フェンス越しにたもつのことをスンスン。
ちょっぴり腰の引けていたたもつも、
初めて対面する大きめワンコさんをチラ見すると、
恐る恐るスンスン。
仲良くなれそう♪
大きい子とも上手に挨拶できた!
飼い主も、ちょっぴり自信をつけた瞬間でした。

ボール遊びが大好きだった音くん。

マイボールは絶対に手放さず。
日頃はとても穏やかな彼、
よその子がボールに近付いた時だけは、
容赦なくガウガウ!だったよね。
そんな訳で、

たもつは若干ビビってた。
この時たもつはまだ4歳。
音くんへと送る視線が……、微妙(笑)
そんなこととは露知らず、

音くんはいつも変わらず、
私たちに笑顔を見せてくれました。
オヤツ交換することも多かった私たち。

「今日のオヤツは何ですか?」
関係ないけど、たもつの毛色が今よりかなり濃い ↑
月日の流れを感じます。

「オヤツのいい匂い♪」

「早く♪ 早く♪」
たもつは音くんのオヤツを奪ってばかり(汗)
音くんとは、朝散歩で会って、夕散歩で会って、
更には深夜の散歩で会うことも多かった。
真夜中の誰もいない河原、
伸縮リードを伸ばせるところまで伸ばしマイペースで歩くたもつと、
飼い主さんとの距離を保ち、
飼い主さんの動向に常に気を配りながら歩く音吉さん。
飼い主たちが繰り広げる他愛もないお喋り。
深夜だというのに、帰る気のないワンコたち。


ここでもオヤツ♪
私たちの姿を見付けると、

いつも尻尾ブンブンで駆け寄ってきてくれていた音吉さん。
実はある日、
「ワンコを交換♪」と言って、
飼い主さんが音吉さんを置き、
よその子を連れ帰宅する素振りを見せたことがあったんです。
その姿を見た音吉さん、
悲痛な声を上げた後、
なんと過呼吸のような症状に陥ってしまい……。
私たちは騒然とし、
飼い主さんは慌てて駆け戻り。
音吉ー、どんだけ甘ったれなんだー!(笑)

飼い主さん(お姉ちゃん)のことが大好き

↑の一件以降、私たちは音吉のことを「シスコン」と呼ぶように。
たもつなんて、
誰がリード握っても躊躇うことなくその人について行っちゃうのに。
それが大好きな人だったりしたら、
飼い主の顔色を窺うこともなく、一切振り返ることもなく、
どこまでもその人について行っちゃうのに。
音吉はお姉ちゃんから離しちゃダメ!というのが、
みんなの中での共通認識になりました。

河原でまったり。

音吉さんは、後輩ワンコたちにも優しかったね。

みんなでオヤツをねだってる時も、
後輩ワンコたちに寛容でした。
↑ 1人だけ立ち上がり必死になってるうちの坊主(汗)
脚の筋力が落ちてきてしまってからは、

こんなに立派な歩行補助具を作ってもらって。

音吉さんもこの笑顔。
お外が大好きだったからね。
飼い主さんの愛の詰まったこの補助具のお陰で、
お散歩もだいぶ安心安全に。
この年の夏、7月に迎えた誕生日を境に、
音吉さんは少しずつ体調を崩していくようになりました。
足腰が弱っていくと、
大きい子は特に自ら身体を起こすのが大変になりますよね。
それでもお宅へ様子を見に伺うと、
一生懸命に身体を起こし、必ず挨拶をしてくれた音吉さん。
寝たきりになった部屋に伺うと、
懸命に頭を起こし顔をこちらに向け、
変わらず可愛い笑顔を見せてくれました。
飼い主さんはと言うと、
獣医師の指導の下、家庭でできる処置は全て自らの手で行い、
カテーテルなんかを扱うその姿はもう獣医師にしか見えず……。
たもつに何かあったら、私は彼女のようにできるだろうか。
献身的に音吉さんのお世話をする彼女の姿を見つめながら、
私はいつの日か迎えるたもつの様々な場面を想像し、
覚悟を新たにしていました。
音吉さんが虹の橋を渡ったのは、
まもなくたもつが9歳の誕生日を迎えるという秋の日のことでした。
音吉さんはたもつにとり、
犬生の半分くらいを一緒に過ごした、
大切な先輩、大切な友達です。
お見送りは、飼い主さんお独りでされました。
「(亡くなった時のではなく)
元気だった頃の音吉の姿を記憶に留めておいて欲しい」
それが、飼い主さんの望みだったからです。
音くんとお別れした実感がなかったからでしょうか。
その後も散歩中に音くんに似た体格の子を見付けると、
「たもちゃん、音くんいたよ。あっち行ってみよ……」
そんなことを暫くは続けていたように思います。

音くん、たもつに優しくしてくれて本当にありがとうね

そんな音吉さんのお宅にこの春やってきたのが、

海音(かいね) ベルジアンタービュレン
音吉さんから「音」の字を1文字もらったんだよね。

5月に我が家にやってきた時。
既にたもつより大きい。

9月。どんどん音くんサイズになっていく。
まだ、0歳児です(笑)
この記事を書くにあたり、
改めて音吉さんの写真を見返し記憶を辿りながら気付いたこと。
「たもちゃんと仲良くしてくれてありがとう

それ以上に、

音吉さんはいつも、
本当に温かくて幸せな空間を
私たちに運んできてくれていたんだなぁということ。
音くんに会えて、幸せだったよ。
本当に本当にありがとうね、音くん

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