おかあちゃんの思い出
大切なワンコ友達の大切なお母さんが亡くなり、
早や1年が過ぎました。
そのワンコさんと出会ったのはたもつが0歳の時。
たくさんのワンコが走り回るグランドにすんなり入れたのも、
たもつが大きなワンコと触れ合えるようになったのも、
そのワンコさんと飼い主さんのお陰。
そんなこともあり、
たもつは彼らのことは勿論
彼女のおかあちゃんのことも大好きだった。
いつもの朝散歩、
仕事の忙しい友人に代わりワンコを河原に連れてくるのは
彼女のおかあちゃんの仕事。
他愛のない話なんだけどね、
ひと時のお喋りがホント楽しかったな。
おかあちゃん 「今晩(のオカズ)何にすんの~?」
私 「今日は、豆腐のハンバーグかなぁ」
おかあちゃん 「へぇ~、どうやって作るのぉ?」
私 「あーやってこーやって、調味料はテキトーで(笑)」
おかあちゃん 「そんな手間の掛かることやってるのぉ?」
そう話す彼女の食卓は、
いつももっともっと手間暇掛かった料理が並び……。
これ、娘であるワンコ友達情報。
とても面倒見の良い彼女、
「ここの店の、本当に美味しいから」と、
夕飯時に合わせてメンチカツを買ってきてくれたり、
「多めに作っちゃったから、食べて~」と、
カレーを分けてくれたこともあったなぁ。
あとはサラダだけ作ればいいや、ラッキー♪
……なんて思いながら受け取りに行ったら、
ちゃんとポテトサラダまで付けてくれて。
我が夫、
「ポテトサラダはちょっと苦手」なんてことぬかしてたんだけど、
おかあちゃんのポテトサラダを口にした途端、
「あーっ! このポテトサラダ好きかも~♪
このポテトサラダなら食べられるかも~♪」って。
ちょっ、その言い回し、なんか勘に障るわ……。
その後はね、ポテトサラダの取り合い(笑)
結局夫の方がたくさん食べちゃったし。
たもつの散歩途中ふらっとお宅に寄ると、
「上がっていけば~?」っていつも気さくに声を掛けてくれて。
けど、視線を下げるとそこには、
チッコを我慢し落ち着かない様子の坊主の姿があって。
坊主抜きでお宅にお邪魔した時には、
私の父が大工だと知り家の中を色々と見せてくれたりして。
「あそこの天井、素敵でしょ? ここの柱はね……」って、
すごく楽しそうに。
実家の母が亡くなり、
そのことを最初に話した相手は、そう言えば彼女だった。
ワンコ友達の中にも母の病状を気遣ってくれる人たちはいたけど、
いざその時が来てしまうとその話を切り出すのは難しいもので。
「お母さん、具合が悪いって聞いたけど……」
久しぶりに朝散歩で会った彼女にそう訊かれ、
「この前、亡くなって……」
躊躇いなくそう伝えることができたのは、
葬儀を終え日が経っていたこともあったのだけど、
彼女の人柄によるところが大きかったんだろうなって感じてる。
人が亡くなった話って、
聞かされた人にも心の負担になり得ること。
彼女なら懐深く受け止めてくれるような気がしたんだろうなって、
勝手な話だけどそう思う。
その日はいつもより長い時間をいつもより遠くの河原まで、
肩を並べて歩いたことを今でもよく覚えてる。
普段ならマイペースでとっとと行っちゃいそうになるたもつも、
その日は私たちに合わせプラプラ散歩に付き合ってくれたような。
よく覚えているのは、彼女のお母さんの話。
「とってもしっかりした人だったんだけどね、
最後の方ちょっと分からなくなっちゃってね。
しっかりしてただけに、
分からなくなっちゃった時、周りは本当に辛いのよ。
長生きしたらしたで、そういうこともあるからねぇ」
そっか……、
そういう苦痛を私たちに与えることなく、母は逝ったんだなぁ。
オカシナ話だけど、感謝した。
母にだったのか、おかあちゃんにだったのか、
今となってはもう思い出せないのだけど……。
その数年後、彼女が病に倒れたと聞き、
祈るようにして過ごした数ヶ月。
玄関先で失礼するつもりで立ち寄ったワンコ友達の家、
招き入れられたのは室温湿度を徹底管理された部屋、
その部屋で彼女はベッドから身体を起こし私を迎えてくれました。
なんかね、もう涙が溢れそうで耐えられなかった。
だけど彼女、
「なんてことないの、大丈夫よ」っていつもと変わらぬ笑顔で、
声はちょっぴり細くなっていたけど、
握った手は力強くそしてとても温かで……。
病状は本人には伏せてある、そう友人は話していたけど、
彼女はもう悟っていたんだろうな。
嬉しそうに話して聞かせてくれたのは、
「娘(←ワンコ友達)がね、本当によくやってくれるの。
お料理とか、すごく手際が良いのよ~」という、
それまで「何にもしないんだから!」とぼやいていた、
「何にもできなくてどうするんだろ……」と憂いていた、
彼女のお嬢さんのことでした。
時が経つのは早いもので、
彼女が逝ってしまい、もう1年が過ぎました。


町内会の方々とお世話していた花壇。
たもつがズカズカ入っていっちゃって、
「たもちゃん入んないでー!
みんなで球根植えたばっかなんだから!」って、
よく叱られた(笑)


河原のアジサイ。
今日はとびきり暑いね、たもちゃん。

ゼーハーゼーハー。

返事なし……。
いつもの河原、
どんなに遠くからでも川向うからでも、
「おはよ~♪」って元気に手を振ってくれた、
ワンコ友達のおかあちゃん。
彼女の声をもう聞くことができないと思うと、とても寂しい……。

早や1年が過ぎました。
そのワンコさんと出会ったのはたもつが0歳の時。
たくさんのワンコが走り回るグランドにすんなり入れたのも、
たもつが大きなワンコと触れ合えるようになったのも、
そのワンコさんと飼い主さんのお陰。
そんなこともあり、
たもつは彼らのことは勿論
彼女のおかあちゃんのことも大好きだった。
いつもの朝散歩、
仕事の忙しい友人に代わりワンコを河原に連れてくるのは
彼女のおかあちゃんの仕事。
他愛のない話なんだけどね、
ひと時のお喋りがホント楽しかったな。
おかあちゃん 「今晩(のオカズ)何にすんの~?」
私 「今日は、豆腐のハンバーグかなぁ」
おかあちゃん 「へぇ~、どうやって作るのぉ?」
私 「あーやってこーやって、調味料はテキトーで(笑)」
おかあちゃん 「そんな手間の掛かることやってるのぉ?」
そう話す彼女の食卓は、
いつももっともっと手間暇掛かった料理が並び……。
これ、娘であるワンコ友達情報。
とても面倒見の良い彼女、
「ここの店の、本当に美味しいから」と、
夕飯時に合わせてメンチカツを買ってきてくれたり、
「多めに作っちゃったから、食べて~」と、
カレーを分けてくれたこともあったなぁ。
あとはサラダだけ作ればいいや、ラッキー♪
……なんて思いながら受け取りに行ったら、
ちゃんとポテトサラダまで付けてくれて。
我が夫、
「ポテトサラダはちょっと苦手」なんてことぬかしてたんだけど、
おかあちゃんのポテトサラダを口にした途端、
「あーっ! このポテトサラダ好きかも~♪
このポテトサラダなら食べられるかも~♪」って。
ちょっ、その言い回し、なんか勘に障るわ……。
その後はね、ポテトサラダの取り合い(笑)
結局夫の方がたくさん食べちゃったし。
たもつの散歩途中ふらっとお宅に寄ると、
「上がっていけば~?」っていつも気さくに声を掛けてくれて。
けど、視線を下げるとそこには、
チッコを我慢し落ち着かない様子の坊主の姿があって。
坊主抜きでお宅にお邪魔した時には、
私の父が大工だと知り家の中を色々と見せてくれたりして。
「あそこの天井、素敵でしょ? ここの柱はね……」って、
すごく楽しそうに。
実家の母が亡くなり、
そのことを最初に話した相手は、そう言えば彼女だった。
ワンコ友達の中にも母の病状を気遣ってくれる人たちはいたけど、
いざその時が来てしまうとその話を切り出すのは難しいもので。
「お母さん、具合が悪いって聞いたけど……」
久しぶりに朝散歩で会った彼女にそう訊かれ、
「この前、亡くなって……」
躊躇いなくそう伝えることができたのは、
葬儀を終え日が経っていたこともあったのだけど、
彼女の人柄によるところが大きかったんだろうなって感じてる。
人が亡くなった話って、
聞かされた人にも心の負担になり得ること。
彼女なら懐深く受け止めてくれるような気がしたんだろうなって、
勝手な話だけどそう思う。
その日はいつもより長い時間をいつもより遠くの河原まで、
肩を並べて歩いたことを今でもよく覚えてる。
普段ならマイペースでとっとと行っちゃいそうになるたもつも、
その日は私たちに合わせプラプラ散歩に付き合ってくれたような。
よく覚えているのは、彼女のお母さんの話。
「とってもしっかりした人だったんだけどね、
最後の方ちょっと分からなくなっちゃってね。
しっかりしてただけに、
分からなくなっちゃった時、周りは本当に辛いのよ。
長生きしたらしたで、そういうこともあるからねぇ」
そっか……、
そういう苦痛を私たちに与えることなく、母は逝ったんだなぁ。
オカシナ話だけど、感謝した。
母にだったのか、おかあちゃんにだったのか、
今となってはもう思い出せないのだけど……。
その数年後、彼女が病に倒れたと聞き、
祈るようにして過ごした数ヶ月。
玄関先で失礼するつもりで立ち寄ったワンコ友達の家、
招き入れられたのは室温湿度を徹底管理された部屋、
その部屋で彼女はベッドから身体を起こし私を迎えてくれました。
なんかね、もう涙が溢れそうで耐えられなかった。
だけど彼女、
「なんてことないの、大丈夫よ」っていつもと変わらぬ笑顔で、
声はちょっぴり細くなっていたけど、
握った手は力強くそしてとても温かで……。
病状は本人には伏せてある、そう友人は話していたけど、
彼女はもう悟っていたんだろうな。
嬉しそうに話して聞かせてくれたのは、
「娘(←ワンコ友達)がね、本当によくやってくれるの。
お料理とか、すごく手際が良いのよ~」という、
それまで「何にもしないんだから!」とぼやいていた、
「何にもできなくてどうするんだろ……」と憂いていた、
彼女のお嬢さんのことでした。
時が経つのは早いもので、
彼女が逝ってしまい、もう1年が過ぎました。


町内会の方々とお世話していた花壇。
たもつがズカズカ入っていっちゃって、
「たもちゃん入んないでー!
みんなで球根植えたばっかなんだから!」って、
よく叱られた(笑)


河原のアジサイ。
今日はとびきり暑いね、たもちゃん。

ゼーハーゼーハー。

返事なし……。
いつもの河原、
どんなに遠くからでも川向うからでも、
「おはよ~♪」って元気に手を振ってくれた、
ワンコ友達のおかあちゃん。
彼女の声をもう聞くことができないと思うと、とても寂しい……。

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