炒飯は米でできている
退屈な内容なのでスルーしてくださいませ 
このところ益々周囲を悩ませているのが、
実家の父の言動の数々。
簡単なことが理解できなかったり、
数分前の出来事を覚えていられなかったり、
それはもう予想もできないことの連続で、
私たちはただ翻弄されるばかりの日々を送っています。
先日実家を訪ねた際も……。
食への関心の低い父に
どうにか食事を摂ってもらおうとした私。
私 「お昼、何なら食べられそう?」
父 「なんでも食えるよ~」
如何にも適当な返答。
食べる気無しなのが仄かに伝わってきますよ。
私 「じゃあ、炒飯とラーメン、どっちがいい?」
父 「………………」
僅かに首を傾げ、暫し視線を宙に泳がせる父。
たかだか昼飯ですよ、そこまで検討重ねることですかね?
父 「炒飯はあれ、……米、だよな?」
私 「そ、そーだけど」
父 「じゃあ、ラーメンかなぁ」
炒飯かラーメンかの選択を迷ってたんじゃなくて、
炒飯が何でできてるか、思考を巡らせていたのですか?
炒飯が何たるかを、すぐに連想できなかった模様。
父も、そして周囲も、混乱することが増えてきました。
そして、こんな日もあります。
父 「ほらぁ、もう昼だぞ~」
私 「え? まだ11時半じゃん」
父 「昼だよぉ、昼飯食わなくちゃ」
並外れて食の細い父、
昼飯の心配をするなど、
以前には考えられないことだったんですけどね。
父 「出前でも取れよ」
私 「え? 食べたいものでもあるの?」
父 「………………、寿司……だろ?」
父は、寿司を希望している訳ではありません。
出前といって思う浮かぶものが寿司だっただけ、
他に選択肢がなかったんですよね。
私 「寿司? 本当にお寿司を食べたいの?」
迷いながら頷く父。
父 「……うん」
私 「じゃあ、買い物ついでに買ってこようか?」
父 「……それでもいいけど」
本当に寿司なんか食べる気あるんですかね?
このところ「米が喉を通らない」と訴えることの多い父、
食欲がない日など1貫2貫摘めればいいところなのです。
……にしても、却下するのも可哀相だし。
私 「じゃあ……、外で買ってくるね」
父 「あぁ」
掃除機を手放し上着を羽織り……、
慌てて出掛ける準備をしていると、
別室から再び響く父の声。
父 「おーい、昼だぞ~」
私 「え? えっ?」
慌てて声の出元を辿ると、
そこには冷蔵庫に頭を突っ込み食料を物色する父の姿が。
父 「もう昼だぞぉ。俺、ラーメンかなんかでいいからさぁ」
……って、さっき「寿司」って言ってませんでしたっけ?
私 「……へ? 今、お昼買いに出ようと思ってたんだけど」
父 「買いに?」
私 「え、だって……。『買ってくるね』ってさっき話したじゃん」
父 「……? それなら、それでもいいけど」
そして、再び財布を手にし玄関へ向かう私に父が発したひと言。
父 「なんだぁ、どこか行くのか? 昼だぞ?」
え? えーっ!?
私 「だからぁ……、『買ってくる』ってことになったでしょ?」
……っつーか、いったいどーすりゃいいんですかっ!?
私の苛立ちを、父は敏感に感じ取っていたのでしょう。
父 「…………。
すぐに忘れちゃうんだよ! 覚えてられないんだ!
また忘れちゃう前に(さっさと)行ってきちゃえよ!」
父もまた、少し苛立っているように見えました。
決して私の言動に苛立っている訳ではありません。
まるで要領を得ない自分自身の言動に、
戸惑いそして苛立ちを抑えきれずにいるようでした。
私 「待ってられる? 待ってられるなら、買ってきちゃうけど」
父 「うん」
一連のやり取りを、父は恐らく覚えてはいません。
全て、ほんの数分の間の出来事なんですけどね。
今さっき耳にした「買い物に行く」という私の台詞も、
父の記憶にどれほどの間留まり続けてくれるのか怪しいものです。
結局その日の昼食は、
父が出前でと言った寿司でも、作ってくれと言ったラーメンでもなく、
スーパーの惣菜コーナーに並ぶ焼きそばになりました。
それでも、父が不平を口にすることはありません。
寿司のこともラーメンのことも既に父の記憶の中にはないからです。
「言った」「言わない」で始まる諍い、
母の存命中から目の当たりにしてきたことではあるんです。
まあ、諍いという水準まで発展することは稀でしたけどね。
なぜって、父が激高する以前に口を噤むことを、
家族はみな自然と覚えてしまっていましたから。
ただ、医療もそして介護の知識もない私にも言えることは、
以前の「言った」「言わない」と今現在の父のそれとは、
明らかに違うということです。
「進んできた、かな」
「……だよね」
姉と時折交わす、父の症状の悪化についての会話です。
昨年辺りまでは、緩やかだったんですよね、症状の進行。
それがここへ来て、
姉も私もとにかく驚かされることばかりなのです。
先日などは、
同居の姉に向かい「お前、名前なんだっけ?」と問うたとか……。
炒飯が何でできていようが訊かれれば何度でも答えるし、
炒飯が何ができているかなど知らずともさして支障はないでしょう。
それでも進行を遅らせる必要性に迫られているのは厳然たる事実で、
父をどう医療機関へ誘おうかと、
姉と二人知恵を巡らせている只中なのでありました。

実家の4月の庭です。


母が様々植えていたので、
思わぬところから思わぬ花が顔を覗かせます。

これは、河原のカワヅザクラの実。
実をつけていたことは最近知りました。
ワンコ友達によると
「サトウニシキも植えてあるよねぇ、あれも生るのかなぁ
」
ということなので……。
サトウニシキが実を結んでいるか、
誰よりも先に確認しに行かねばっ
ちなみにカワヅザクラの実、
毒にはならないが美味しくはないのだそうです。
それからオマケ。

ベランダで行き倒れた犬。

このところ益々周囲を悩ませているのが、
実家の父の言動の数々。
簡単なことが理解できなかったり、
数分前の出来事を覚えていられなかったり、
それはもう予想もできないことの連続で、
私たちはただ翻弄されるばかりの日々を送っています。
先日実家を訪ねた際も……。
食への関心の低い父に
どうにか食事を摂ってもらおうとした私。
私 「お昼、何なら食べられそう?」
父 「なんでも食えるよ~」
如何にも適当な返答。
食べる気無しなのが仄かに伝わってきますよ。
私 「じゃあ、炒飯とラーメン、どっちがいい?」
父 「………………」
僅かに首を傾げ、暫し視線を宙に泳がせる父。
たかだか昼飯ですよ、そこまで検討重ねることですかね?
父 「炒飯はあれ、……米、だよな?」
私 「そ、そーだけど」
父 「じゃあ、ラーメンかなぁ」
炒飯かラーメンかの選択を迷ってたんじゃなくて、
炒飯が何でできてるか、思考を巡らせていたのですか?
炒飯が何たるかを、すぐに連想できなかった模様。
父も、そして周囲も、混乱することが増えてきました。
そして、こんな日もあります。
父 「ほらぁ、もう昼だぞ~」
私 「え? まだ11時半じゃん」
父 「昼だよぉ、昼飯食わなくちゃ」
並外れて食の細い父、
昼飯の心配をするなど、
以前には考えられないことだったんですけどね。
父 「出前でも取れよ」
私 「え? 食べたいものでもあるの?」
父 「………………、寿司……だろ?」
父は、寿司を希望している訳ではありません。
出前といって思う浮かぶものが寿司だっただけ、
他に選択肢がなかったんですよね。
私 「寿司? 本当にお寿司を食べたいの?」
迷いながら頷く父。
父 「……うん」
私 「じゃあ、買い物ついでに買ってこようか?」
父 「……それでもいいけど」
本当に寿司なんか食べる気あるんですかね?
このところ「米が喉を通らない」と訴えることの多い父、
食欲がない日など1貫2貫摘めればいいところなのです。
……にしても、却下するのも可哀相だし。
私 「じゃあ……、外で買ってくるね」
父 「あぁ」
掃除機を手放し上着を羽織り……、
慌てて出掛ける準備をしていると、
別室から再び響く父の声。
父 「おーい、昼だぞ~」
私 「え? えっ?」
慌てて声の出元を辿ると、
そこには冷蔵庫に頭を突っ込み食料を物色する父の姿が。
父 「もう昼だぞぉ。俺、ラーメンかなんかでいいからさぁ」
……って、さっき「寿司」って言ってませんでしたっけ?
私 「……へ? 今、お昼買いに出ようと思ってたんだけど」
父 「買いに?」
私 「え、だって……。『買ってくるね』ってさっき話したじゃん」
父 「……? それなら、それでもいいけど」
そして、再び財布を手にし玄関へ向かう私に父が発したひと言。
父 「なんだぁ、どこか行くのか? 昼だぞ?」
え? えーっ!?
私 「だからぁ……、『買ってくる』ってことになったでしょ?」
……っつーか、いったいどーすりゃいいんですかっ!?
私の苛立ちを、父は敏感に感じ取っていたのでしょう。
父 「…………。
すぐに忘れちゃうんだよ! 覚えてられないんだ!
また忘れちゃう前に(さっさと)行ってきちゃえよ!」
父もまた、少し苛立っているように見えました。
決して私の言動に苛立っている訳ではありません。
まるで要領を得ない自分自身の言動に、
戸惑いそして苛立ちを抑えきれずにいるようでした。
私 「待ってられる? 待ってられるなら、買ってきちゃうけど」
父 「うん」
一連のやり取りを、父は恐らく覚えてはいません。
全て、ほんの数分の間の出来事なんですけどね。
今さっき耳にした「買い物に行く」という私の台詞も、
父の記憶にどれほどの間留まり続けてくれるのか怪しいものです。
結局その日の昼食は、
父が出前でと言った寿司でも、作ってくれと言ったラーメンでもなく、
スーパーの惣菜コーナーに並ぶ焼きそばになりました。
それでも、父が不平を口にすることはありません。
寿司のこともラーメンのことも既に父の記憶の中にはないからです。
「言った」「言わない」で始まる諍い、
母の存命中から目の当たりにしてきたことではあるんです。
まあ、諍いという水準まで発展することは稀でしたけどね。
なぜって、父が激高する以前に口を噤むことを、
家族はみな自然と覚えてしまっていましたから。
ただ、医療もそして介護の知識もない私にも言えることは、
以前の「言った」「言わない」と今現在の父のそれとは、
明らかに違うということです。
「進んできた、かな」
「……だよね」
姉と時折交わす、父の症状の悪化についての会話です。
昨年辺りまでは、緩やかだったんですよね、症状の進行。
それがここへ来て、
姉も私もとにかく驚かされることばかりなのです。
先日などは、
同居の姉に向かい「お前、名前なんだっけ?」と問うたとか……。
炒飯が何でできていようが訊かれれば何度でも答えるし、
炒飯が何ができているかなど知らずともさして支障はないでしょう。
それでも進行を遅らせる必要性に迫られているのは厳然たる事実で、
父をどう医療機関へ誘おうかと、
姉と二人知恵を巡らせている只中なのでありました。

実家の4月の庭です。


母が様々植えていたので、
思わぬところから思わぬ花が顔を覗かせます。

これは、河原のカワヅザクラの実。
実をつけていたことは最近知りました。
ワンコ友達によると
「サトウニシキも植えてあるよねぇ、あれも生るのかなぁ

ということなので……。
サトウニシキが実を結んでいるか、
誰よりも先に確認しに行かねばっ

ちなみにカワヅザクラの実、
毒にはならないが美味しくはないのだそうです。
それからオマケ。

ベランダで行き倒れた犬。
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