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霊が見えます

     お盆ですね。

  あ、都内は7月にお盆を行うところが多いですが、

 私の出身地の千葉県では

   所謂遅れ盆で8月13日~16日に行事を行います。


  ……で、先日(12日)実家にお坊さまをお迎えし、

     法要を執り行ってきましたよ。


  「お盆でもないのに、なんで坊さんが来るんだ」

     父は若干不満気に呟いていたそうですが、

  そりゃ、お坊さまにだって都合ってものがありますよ。

    お盆なんて多忙を極めるだろうし(だって稼ぎ時)、

   檀家巡りを4日間で済ませるのも至難の業なのでしょう。

  
  まあ、父の言い分にも一理あります。

    ご先祖さまをお迎えする「迎え火」を執り行うのが13日。

 ご先祖さまをお迎えする前(12日)に、

       お坊さんが来ちゃってるんですからね。



     DSC_1023.jpg


           実家の精霊棚です。


    本来は、ナスの牛とキュウリの馬を飾るものなのですが……。

   こっちの方が可愛いし……、なんて思ってしまいますね。

  子供の頃、祖父の家に飾られた4本脚のナスとキュウリが怖くて、

    精霊棚に近づけなかったんですよね。

  この牛と馬、ご先祖様の送迎用?に作られたものなのですが、

 「早く戻ってほしいからお迎えは馬で、

    ゆっくり帰ってほしいからお送りは牛で」なんて説、

  「ご先祖様は馬の背に乗って、
   
     荷物は牛の背に載せて」なんて説もあるそうです。


  ……で、お盆の入りの前にお坊さまをお迎えすることになった訳ですが、

     母が亡くなって3年目ともなると、

 お坊さまをお迎えすることにも緊張感が薄くなっているようで……。


    お坊さまが席を立たれて家族がまず確認したのは、

        「今日、何分だった?」
 
               なんてこと。
   

    実は、母の新盆を迎えた夏、

   交通事情やら何やらでお坊さまの到着が大幅に遅れ、

    挨拶もそこそこに精霊棚の前に腰を下ろしたかと思うと、

 思いの外短時間で読経を済まされた印象が、

      みなの中に強く残ってしまったんですよね。

   お坊さまが席を立たれた後、

  親戚一同の口から漏れた言葉は、

    「随分早かったねぇ」

       「何分拝んだ?」

  「まあ、坊さんも『次がある』って言ってたから」

      なんてものだったのです。


    ……で、2年目の夏、

   読経の間夫は時計に目を遣り、

     お坊さまが発つと、

 「何分だった? 何分だった?」

    なんて、罰当たりなことで盛り上がり。


   今年の夏は時計を見ることこそ忘れていましたが、

     「どう? 長かった?」

    なんて、ホント罰当たりな話をまたも繰り返し……。


   新盆を神妙な面持ちで過ごした私たちも、

     いつしか母のいない夏に慣れていき……、
 

   こうしてお盆も、

 家族が顔を合わせ食卓を囲み高校野球を見ながら盛り上がる、

     子供の頃の夏休みと何ら変わらない、

我が家らしい夏として過ぎていくのだななんて感じましたね。


  それからこれは私の想像ですが……。

 母は、馬にも乗ってきていないし、

   牛にも乗って行かないような気がしているんですよね。

  実家の庭に、白いニャンコさんがやってくるんです。

その子は、冷たくなった母が病院から戻ったその日にも庭に現れ、

  四十九日納骨の日にも私たちの前に姿を現したんですよね。

    ニャンコさんは私たちの方をじーっと見つめ、

   何かを訴えかけているようにも見えました。

    母が来てるんだ、そう思いましたね。

  12日の法要の日もニャンコさんは庭に現れ、

     姉の方をじーっと見つめていたそうです。

   母は、ニャンコさんに乗ってやってきて、

    ニャンコさんに乗って帰っていくのだと、

      私は勝手に思っているのです。


    法要が済み、

  高校野球を見ながら家族で雑談していた時のことです。

    「この前、変なのが来たぞ」

      唐突に父が話し出しました。

 姉が不在の日中、訪ねてくる人があったそうなのですが……。

     チャイムの音を聞き廊下へ出てみると、

  門扉のところに女性が2人こちらを見つめていたそうです。

    実家の門には錠前が掛けっぱなしで、

  他人がみだりに入って来られないようになっています。

   無用な勧誘などに取り込まれないようにと、

 家族は門から離れた廊下から対応するようになっているのです。


       彼女らは、言ったそうです。




        「霊が、見えます」


           !? !? !?


     「お宅に、霊が見えます。

        お祓いして差し上げます」


 
         え? えぇーっ!?


    「まったく、ふざけやがって!」

   「バカにすんなってぇの!!」

      「俺んちのどこに霊が見えるんだ!!!」


   興奮気味に話を続ける父を他所に、

  私はゲラゲラ大笑いし、

    「霊が見えるんなら、見てもらえばヨカッタじゃん♪」

            なんて揶揄う始末。


それでも、家にケチつけられたようで気に入らなかったんでしょうね。

  傘立てに差しっぱなしだった木刀を手にすると父は喚き散らし、

   「お祓いします」という彼女らを追い払ったのだそうです。

  これじゃあ、どっちが祓われちゃったんだか分かりません。

    彼女たちも気の毒ですよね、

  選りに選って父みたいな人間のところを訪ねてきちゃうなんて。

      霊は見えても、

     不穏な空気を感じ取ることはできなかったのかしら。

      
   しかし、本当に霊が見えるものなら(たぶんウソだけど)、

       何が見えたのか教えてほしかったな。

    ……というか、霊が見える能力を、

         私にも分けてほしいくらいなんですけど。

     あちらの世界の人と交信してみたい……。

       密かに願っていることなんですよね。


   そうそう、

  盆の入りの13日、

   父は提灯片手に迎え火を行ったそうです。

 まあ迎え火と言っても、

   提灯灯してモノレールに乗れる訳じゃあないですからね。

  あ、墓地までは車かモノレールを利用することになるのです。

    そんな訳で……、

   母のこと、ちょっとそこの角まで、

  父はお迎えにいったらしいです。

    そんな細やかな行事でも、

 母と繋がっているような気にさせてくれるのでしょう。

   面倒臭がりの父が腰を上げる行事を、

    今後も見守っていかなければいけませんね。





          

      この夏のたもやん  




13-08-13_1106.jpg


     この暑いのに、なぜかベランダで日光浴したがる坊主。



    13-08-13_1107.jpg


           あのさ、熱中症になっても知らんよ 

 
                 ↓

                 ↓

                 ↓

                 ↓

                 ↓

                 ↓



    13-08-14_805.jpg


              ゼェゼェ   ハァハァ 



    13-08-14_1110.jpg


               入れてくれ



       だからさ、「外出るな!」って言ってるじゃん 

    この猛暑ですよ、

  ベランダなんかにいたら干上がっちゃうでしょうがっ 




   13-08-14_1114.jpg


              死ぬかと思った



      あのさ、うちはサウナじゃないのよ 

    暑いの寒いの繰り返しなさんな 

 そうやって出たり入ったりしてると冷気が逃げるっつーの 

       この作業、1日に数回繰り返します    

   いつもの夏は、冷房止めて夜風を入れて……でも、

              結構眠れたんですよね~。

    けどこの夏は、エアコンフル稼働。

   しかも坊主のお陰で開けたり閉めたり……。

 電気代がいったい幾らになるのか……、

        悪寒を覚えてる最近の私です 


 
             



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プロフィール

たもこ

Author:たもこ
生後2ヵ月で我が家にやってきた柴犬たもつ。
日々進化を続けるたもつと彼に翻弄される犬素人夫婦の日常を綴ります。
旧名たもつ先生です。
たもつ ♂ 
2007年10月19日生まれ

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