霊が見えます
お盆ですね。
あ、都内は7月にお盆を行うところが多いですが、
私の出身地の千葉県では
所謂遅れ盆で8月13日~16日に行事を行います。
……で、先日(12日)実家にお坊さまをお迎えし、
法要を執り行ってきましたよ。
「お盆でもないのに、なんで坊さんが来るんだ」
父は若干不満気に呟いていたそうですが、
そりゃ、お坊さまにだって都合ってものがありますよ。
お盆なんて多忙を極めるだろうし(だって稼ぎ時)、
檀家巡りを4日間で済ませるのも至難の業なのでしょう。
まあ、父の言い分にも一理あります。
ご先祖さまをお迎えする「迎え火」を執り行うのが13日。
ご先祖さまをお迎えする前(12日)に、
お坊さんが来ちゃってるんですからね。

実家の精霊棚です。
本来は、ナスの牛とキュウリの馬を飾るものなのですが……。
こっちの方が可愛いし……、なんて思ってしまいますね。
子供の頃、祖父の家に飾られた4本脚のナスとキュウリが怖くて、
精霊棚に近づけなかったんですよね。
この牛と馬、ご先祖様の送迎用?に作られたものなのですが、
「早く戻ってほしいからお迎えは馬で、
ゆっくり帰ってほしいからお送りは牛で」なんて説、
「ご先祖様は馬の背に乗って、
荷物は牛の背に載せて」なんて説もあるそうです。
……で、お盆の入りの前にお坊さまをお迎えすることになった訳ですが、
母が亡くなって3年目ともなると、
お坊さまをお迎えすることにも緊張感が薄くなっているようで……。
お坊さまが席を立たれて家族がまず確認したのは、
「今日、何分だった?」
なんてこと。
実は、母の新盆を迎えた夏、
交通事情やら何やらでお坊さまの到着が大幅に遅れ、
挨拶もそこそこに精霊棚の前に腰を下ろしたかと思うと、
思いの外短時間で読経を済まされた印象が、
みなの中に強く残ってしまったんですよね。
お坊さまが席を立たれた後、
親戚一同の口から漏れた言葉は、
「随分早かったねぇ」
「何分拝んだ?」
「まあ、坊さんも『次がある』って言ってたから」
なんてものだったのです。
……で、2年目の夏、
読経の間夫は時計に目を遣り、
お坊さまが発つと、
「何分だった? 何分だった?」
なんて、罰当たりなことで盛り上がり。
今年の夏は時計を見ることこそ忘れていましたが、
「どう? 長かった?」
なんて、ホント罰当たりな話をまたも繰り返し……。
新盆を神妙な面持ちで過ごした私たちも、
いつしか母のいない夏に慣れていき……、
こうしてお盆も、
家族が顔を合わせ食卓を囲み高校野球を見ながら盛り上がる、
子供の頃の夏休みと何ら変わらない、
我が家らしい夏として過ぎていくのだななんて感じましたね。
それからこれは私の想像ですが……。
母は、馬にも乗ってきていないし、
牛にも乗って行かないような気がしているんですよね。
実家の庭に、白いニャンコさんがやってくるんです。
その子は、冷たくなった母が病院から戻ったその日にも庭に現れ、
四十九日納骨の日にも私たちの前に姿を現したんですよね。
ニャンコさんは私たちの方をじーっと見つめ、
何かを訴えかけているようにも見えました。
母が来てるんだ、そう思いましたね。
12日の法要の日もニャンコさんは庭に現れ、
姉の方をじーっと見つめていたそうです。
母は、ニャンコさんに乗ってやってきて、
ニャンコさんに乗って帰っていくのだと、
私は勝手に思っているのです。
法要が済み、
高校野球を見ながら家族で雑談していた時のことです。
「この前、変なのが来たぞ」
唐突に父が話し出しました。
姉が不在の日中、訪ねてくる人があったそうなのですが……。
チャイムの音を聞き廊下へ出てみると、
門扉のところに女性が2人こちらを見つめていたそうです。
実家の門には錠前が掛けっぱなしで、
他人がみだりに入って来られないようになっています。
無用な勧誘などに取り込まれないようにと、
家族は門から離れた廊下から対応するようになっているのです。
彼女らは、言ったそうです。
「霊が、見えます」
!? !? !?
「お宅に、霊が見えます。
お祓いして差し上げます」
え? えぇーっ!?
「まったく、ふざけやがって!」
「バカにすんなってぇの!!」
「俺んちのどこに霊が見えるんだ!!!」
興奮気味に話を続ける父を他所に、
私はゲラゲラ大笑いし、
「霊が見えるんなら、見てもらえばヨカッタじゃん♪」
なんて揶揄う始末。
それでも、家にケチつけられたようで気に入らなかったんでしょうね。
傘立てに差しっぱなしだった木刀を手にすると父は喚き散らし、
「お祓いします」という彼女らを追い払ったのだそうです。
これじゃあ、どっちが祓われちゃったんだか分かりません。
彼女たちも気の毒ですよね、
選りに選って父みたいな人間のところを訪ねてきちゃうなんて。
霊は見えても、
不穏な空気を感じ取ることはできなかったのかしら。
しかし、本当に霊が見えるものなら(たぶんウソだけど)、
何が見えたのか教えてほしかったな。
……というか、霊が見える能力を、
私にも分けてほしいくらいなんですけど。
あちらの世界の人と交信してみたい……。
密かに願っていることなんですよね。
そうそう、
盆の入りの13日、
父は提灯片手に迎え火を行ったそうです。
まあ迎え火と言っても、
提灯灯してモノレールに乗れる訳じゃあないですからね。
あ、墓地までは車かモノレールを利用することになるのです。
そんな訳で……、
母のこと、ちょっとそこの角まで、
父はお迎えにいったらしいです。
そんな細やかな行事でも、
母と繋がっているような気にさせてくれるのでしょう。
面倒臭がりの父が腰を上げる行事を、
今後も見守っていかなければいけませんね。
この夏のたもやん 

この暑いのに、なぜかベランダで日光浴したがる坊主。

あのさ、熱中症になっても知らんよ
↓
↓
↓
↓
↓
↓

ゼェゼェ
ハァハァ 

入れてくれ



だからさ、「外出るな!」って言ってるじゃん
この猛暑ですよ、
ベランダなんかにいたら干上がっちゃうでしょうがっ

死ぬかと思った



あのさ、うちはサウナじゃないのよ
暑いの寒いの繰り返しなさんな
そうやって出たり入ったりしてると冷気が逃げるっつーの
この作業、1日に数回繰り返します
いつもの夏は、冷房止めて夜風を入れて……でも、
結構眠れたんですよね~。
けどこの夏は、エアコンフル稼働。
しかも坊主のお陰で開けたり閉めたり……。
電気代がいったい幾らになるのか……、
悪寒を覚えてる最近の私です
あ、都内は7月にお盆を行うところが多いですが、
私の出身地の千葉県では
所謂遅れ盆で8月13日~16日に行事を行います。
……で、先日(12日)実家にお坊さまをお迎えし、
法要を執り行ってきましたよ。
「お盆でもないのに、なんで坊さんが来るんだ」
父は若干不満気に呟いていたそうですが、
そりゃ、お坊さまにだって都合ってものがありますよ。
お盆なんて多忙を極めるだろうし(だって稼ぎ時)、
檀家巡りを4日間で済ませるのも至難の業なのでしょう。
まあ、父の言い分にも一理あります。
ご先祖さまをお迎えする「迎え火」を執り行うのが13日。
ご先祖さまをお迎えする前(12日)に、
お坊さんが来ちゃってるんですからね。

実家の精霊棚です。
本来は、ナスの牛とキュウリの馬を飾るものなのですが……。
こっちの方が可愛いし……、なんて思ってしまいますね。
子供の頃、祖父の家に飾られた4本脚のナスとキュウリが怖くて、
精霊棚に近づけなかったんですよね。
この牛と馬、ご先祖様の送迎用?に作られたものなのですが、
「早く戻ってほしいからお迎えは馬で、
ゆっくり帰ってほしいからお送りは牛で」なんて説、
「ご先祖様は馬の背に乗って、
荷物は牛の背に載せて」なんて説もあるそうです。
……で、お盆の入りの前にお坊さまをお迎えすることになった訳ですが、
母が亡くなって3年目ともなると、
お坊さまをお迎えすることにも緊張感が薄くなっているようで……。
お坊さまが席を立たれて家族がまず確認したのは、
「今日、何分だった?」
なんてこと。
実は、母の新盆を迎えた夏、
交通事情やら何やらでお坊さまの到着が大幅に遅れ、
挨拶もそこそこに精霊棚の前に腰を下ろしたかと思うと、
思いの外短時間で読経を済まされた印象が、
みなの中に強く残ってしまったんですよね。
お坊さまが席を立たれた後、
親戚一同の口から漏れた言葉は、
「随分早かったねぇ」
「何分拝んだ?」
「まあ、坊さんも『次がある』って言ってたから」
なんてものだったのです。
……で、2年目の夏、
読経の間夫は時計に目を遣り、
お坊さまが発つと、
「何分だった? 何分だった?」
なんて、罰当たりなことで盛り上がり。
今年の夏は時計を見ることこそ忘れていましたが、
「どう? 長かった?」
なんて、ホント罰当たりな話をまたも繰り返し……。
新盆を神妙な面持ちで過ごした私たちも、
いつしか母のいない夏に慣れていき……、
こうしてお盆も、
家族が顔を合わせ食卓を囲み高校野球を見ながら盛り上がる、
子供の頃の夏休みと何ら変わらない、
我が家らしい夏として過ぎていくのだななんて感じましたね。
それからこれは私の想像ですが……。
母は、馬にも乗ってきていないし、
牛にも乗って行かないような気がしているんですよね。
実家の庭に、白いニャンコさんがやってくるんです。
その子は、冷たくなった母が病院から戻ったその日にも庭に現れ、
四十九日納骨の日にも私たちの前に姿を現したんですよね。
ニャンコさんは私たちの方をじーっと見つめ、
何かを訴えかけているようにも見えました。
母が来てるんだ、そう思いましたね。
12日の法要の日もニャンコさんは庭に現れ、
姉の方をじーっと見つめていたそうです。
母は、ニャンコさんに乗ってやってきて、
ニャンコさんに乗って帰っていくのだと、
私は勝手に思っているのです。
法要が済み、
高校野球を見ながら家族で雑談していた時のことです。
「この前、変なのが来たぞ」
唐突に父が話し出しました。
姉が不在の日中、訪ねてくる人があったそうなのですが……。
チャイムの音を聞き廊下へ出てみると、
門扉のところに女性が2人こちらを見つめていたそうです。
実家の門には錠前が掛けっぱなしで、
他人がみだりに入って来られないようになっています。
無用な勧誘などに取り込まれないようにと、
家族は門から離れた廊下から対応するようになっているのです。
彼女らは、言ったそうです。
「霊が、見えます」
!? !? !?
「お宅に、霊が見えます。
お祓いして差し上げます」
え? えぇーっ!?
「まったく、ふざけやがって!」
「バカにすんなってぇの!!」
「俺んちのどこに霊が見えるんだ!!!」
興奮気味に話を続ける父を他所に、
私はゲラゲラ大笑いし、
「霊が見えるんなら、見てもらえばヨカッタじゃん♪」
なんて揶揄う始末。
それでも、家にケチつけられたようで気に入らなかったんでしょうね。
傘立てに差しっぱなしだった木刀を手にすると父は喚き散らし、
「お祓いします」という彼女らを追い払ったのだそうです。
これじゃあ、どっちが祓われちゃったんだか分かりません。
彼女たちも気の毒ですよね、
選りに選って父みたいな人間のところを訪ねてきちゃうなんて。
霊は見えても、
不穏な空気を感じ取ることはできなかったのかしら。
しかし、本当に霊が見えるものなら(たぶんウソだけど)、
何が見えたのか教えてほしかったな。
……というか、霊が見える能力を、
私にも分けてほしいくらいなんですけど。
あちらの世界の人と交信してみたい……。
密かに願っていることなんですよね。
そうそう、
盆の入りの13日、
父は提灯片手に迎え火を行ったそうです。
まあ迎え火と言っても、
提灯灯してモノレールに乗れる訳じゃあないですからね。
あ、墓地までは車かモノレールを利用することになるのです。
そんな訳で……、
母のこと、ちょっとそこの角まで、
父はお迎えにいったらしいです。
そんな細やかな行事でも、
母と繋がっているような気にさせてくれるのでしょう。
面倒臭がりの父が腰を上げる行事を、
今後も見守っていかなければいけませんね。



この暑いのに、なぜかベランダで日光浴したがる坊主。

あのさ、熱中症になっても知らんよ

↓
↓
↓
↓
↓
↓

ゼェゼェ



入れてくれ




だからさ、「外出るな!」って言ってるじゃん

この猛暑ですよ、
ベランダなんかにいたら干上がっちゃうでしょうがっ


死ぬかと思った




あのさ、うちはサウナじゃないのよ

暑いの寒いの繰り返しなさんな

そうやって出たり入ったりしてると冷気が逃げるっつーの

この作業、1日に数回繰り返します

いつもの夏は、冷房止めて夜風を入れて……でも、
結構眠れたんですよね~。
けどこの夏は、エアコンフル稼働。
しかも坊主のお陰で開けたり閉めたり……。
電気代がいったい幾らになるのか……、
悪寒を覚えてる最近の私です

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