完成度の高い

台所で何か探している坊主

「たもちゃんのモノなんか、何もないよ~」

……んな訳ない、なんかある筈

「なんもないさ~」

あるよね? なんか魚介っぽいの

「魚介なんか、ないない

……って、まさかこれのことですか


カニカマ
「カニカマなんか、食べたことないでしょーがぁ?」
「え? まさか? 本物のカニの風味がしてる?」
※ あ。勿論、カニの味なんか坊主は知りませんが


どこに隠してるの~? おいらにもちょーだい

カニカマ……単なる練り物と侮るなかれ

イッチョ前に、ワンコを惹き付けるカニの風味を発しているらしいのです

完成度高過ぎなのも、これまた厄介なもんです

つい先日も……。
購入したばかりの、犬用たまごボーロと人用たまごボーロ、
どっちがどっちか分からなくなりそうになり……


チョット見、どっちがどっちか分からないですよね?
あ、小瓶に入ってるのはたもつ用たまごボーロです。
たもつが子供の頃、初めて買ったオヤツがたまごボーロ。
ちょっぴり大人になり肉や魚のオヤツの味を覚えるようになると、
赤ちゃん向けのボーロになど見向きもしなくなっていたのですが、
久しぶりの味に懐かしさでも感じたのか、
ほんのり甘いたまごボーロ、
最近も好んで食べてくれています

そして……、人用たまごボーロの方、
こちらも本当に久しぶりに手にしたオヤツでして……

子供の頃、父方の先祖のお墓参りに行くと、
決まって母が取り出すのがたまごボーロでした。
「お祖母ちゃん、たまごボーロが好きだったものね」
そう言ってボーロをお供えする母の傍らで、
「俺は知らないよ~」
なんて素っ気の無い態度を取ってみせる父。
「自分の母親のこと、何にも知らないんだから」
両親のそんな会話を懐かしく思い出しながら、
つい手に取ったたまごボーロ。
甘さも流行のお菓子よりほんのり控えめで、
舌の上で押し潰すとちょっぴりざらついて、
それでも、そんなところがなんだかとっても懐かしく、
身体だけじゃなく心にも優しいオヤツなのだと、
感慨深く味わっているここ数日です

ただ一つの難点は、
犬用と人用の区別がつき難くなってしまうこと

先日も、
たもつ用を私が、わたし用をたもつが、
うっかり口にしてしまいそうになり

カニの風味を纏ったカマボコや、
人間用菓子と見紛うようなワンコオヤツや、
その完成度の高さに、
ちょっぴり翻弄されているたもつと私だったのでした


カニくれ~


今どきのJK……。
先日、電車に乗った時のことです。
夕方4時過ぎ、通勤ラッシュにはまだ早いその時間帯、
車内には空席が目立つ程度の人の数、
ひと駅のみの利用の私は、
ひとり扉付近に立ち外の景色を目で追っていたのですが……。
プォ~ン
??? なんか……臭う?
……っていうか、車内で臭う筈のない香り?
「ちょっ、くっせー」
聞こえてきたのは、若い女性の声。
目を遣ると、座席には制服姿の女子高生2人組の姿。
ひとりの手には炭酸飲料のペットボトル。
もうひとりの手には……、
ん? これって、見間違いじゃないよねっ!?
彼女の手には……、(口には……か)
ス ル メ
ス ル メ ですよっ

迷惑顔の友人を横目に、
小袋から取り出したスルメを口に咥えたまま、
彼女はただ、流れていく窓外の景色を目で追っています。
大胆過ぎるその姿に、
周囲の大人も見て見ぬ振りを決め込むばかり……。
今どきのJKは、車内でスルメが当たり前?
ちょっとした衝撃にその日の疲れも吹っ飛んだ、
JK時代の記憶も遥か昔の私だったのでした

スポンサーサイト