求められても

　たもつさんのいつもの散歩道、



　　　


　　　　



　　　　　　カワヅザクラがほら、




　　




　　　　　　　　
　　　　



　　　　　　　　　　　　なかなかいい感じに咲いてきましたよ　



　　って、パチパチ撮影していたら……、





　



　　　　　　もぉーっ、母ちゃん、ペースが乱れるぅ　



　　「あぁ、ごめんごめん　」




　「ほらぁ、見てごらん　　　綺麗だよ～　」





　　　　　　　　　






　　



　　　　　母ちゃん、遅い～　



　　「えぇーっ　　」


　
　　　　　　「……ったく、キミには情緒ってもんがないのかね　」





　　　　



　　　　　　　フンッ　　　そんなの知ーらね　





　　犬に桜を愛でよ……なんて言っても、そりゃ無駄なことなんですかねぇ　


　けど、犬が本当は何を考えてるかなんて、ホントーに解明されているんでしょうか？　




　　そう言えば、昨晩夫とこんな話になりました　



「あの小僧はいったい何考えてるんだろうねぇ　」



　　「そう言えば、バウリンガルって犬語を翻訳する機械があったよね？」



「けど、あれはうちには使えないね、だって吠えないもん　」



　　そうなんです、たもつさん、ほとんど吠えないんですよね　




　吠える時と言えば……、


　
　　気に入らないワンコ（一方的に　）と遭遇した時と、



　　不意に独りぼっちにされた時。





　けど、気に入らないワンコと遭遇してこんな顔してるからって……、



　　


　　　　　かかって来いやーっ、ごらぁー



　って言ってるとは限りませんよね　


　
　案外、


　君のコト大好きだ～　　　一緒に遊ぼうよ～　



　　　　　　なんて言ってるかもしれないし　





　不意に置き去りにされて、



　　　　



　　　　　　　　きゃお～ん、あぉ～ん　



　　なんて言っていても、



　案外、



　　　　　　　　　　さっさと行っちまえ～　



　　　　　　　　なんて思っているかもしれません　




　　　だってほら、



　　　　　



　　　　　　　笑いながら怒る……なんて人もいたりするでしょ　






　　

　　話は逸れましたが……、



　　　　



　　　　　折角の桜を、情緒の分かる私は楽しませて頂いて　






　　



　　　　　　　　　　母ちゃん、オヤツくれ～　



　「ほいほい、あんたに情緒を求めても、ねぇ　」















　　　　　　　情緒って、それ食べられるんでちゅか？