fc2ブログ

箱入り雛

 3月3日を過ぎたらお雛様は早く片付けなくちゃ、


 そうしないと行き遅れてしまうから……。



 子供の頃、親から何度となく聞かされていた言葉です。



 それでも父をも巻き込み家族総出で整えた7段飾りを片付けてしまうのは勿体ないような、


 ようやく日の目を見たお雛様を鳥の子色した埃っぽい箱に早々に戻してしまうのは気の毒なような……。


 子供なりに複雑な思いを抱えお雛様を片付けるのを一日でも引き延ばそうとして母を困らせたこと、


 今でもぼんやりとですが覚えています。



 
 それでも、子供の頃は楽しかったですね、お雛様の飾り付け。


「行き遅れちゃう」なんていう親の脅し文句も、


 子供にとっては夏休みに耳にする怪談話くらいにしか聞こえず……。



 それが、


 社会人になり周囲の結婚話ばかりが親の耳に入るようになると……。


 なんだか、煩わしくなってしまったんですよね、お雛様の飾り付け。




 特に父にとっての雛壇飾りは、


“女の子の成長を祝うもの”から、


“良縁を運んできてくれるもの”にその意味を変えていったようにも感じられ……。


 雛壇飾りのCMが目に留まる度「結婚相手を連れてこい」という父の態度が煩わしく、


 桃の節句が近付く度、憂鬱にならずにはいられなかったあの頃を否が応でも思い出してしまうのです。




 成人するまでの間、娘の私たちは父の厳しい管理下に置かれて育ちました。


 夫の言葉を借りれば「『箱入り』どころか『漆の重箱入り』」なのだそうです。


 そんな私たちがどんな男性を連れてこようが父が容認する筈もなく、


「結婚相手を」という父の科白も空々しいとしか思えない私は、


 お雛様を出して無用な波風を立てるよりはと、


 桃の節句が行き過ぎるのを次第に黙って見送るようになりました。





 それでも結婚して数年が経ち、


 実家のお雛様はもう何年日の目を見ていないだろうなどと胸を痛めていたら、


 先日偶然姉から、


「お父さんが『お雛様でも出そうか』なんて言ってるよ」


 との報告が来たのです。





 いい加減拗ねた考えなど捨てて、


 来年の桃の季節には埃塗れになってしまった鳥の子色のあの箱から、


 お雛様を出してあげなくちゃいけないかしら。


 長いこと「箱入り」になってしまったお雛様に、


 新鮮な空気を吸わせてあげて、


 新しい世界を見せてあげなくちゃいけないんでしょうね。







 関係ないけど、


 我が家の息子もすっかり「箱入り」になっていた模様 



   12-03-04_1639.jpg


 お見苦しいのですが、私の脚の間で爆睡中です 





 1日遅れで桜餅も戴きました 



  12-03-04_1254.jpg



 3個だけど、夫・私・たもつの分じゃあありませんよ 


 夫が1個フライング気味に平らげてしまったので 









             お ま け    




    12-03-04_1736.jpg



          河原のカワヅザクラです 

      
      2つだけ、花を見付けました 



       ※ ズームし過ぎて、写りがちょっとボンヤリです 





 
スポンサーサイト



プロフィール

たもこ

Author:たもこ
生後2ヵ月で我が家にやってきた柴犬たもつ。
日々進化を続けるたもつと彼に翻弄される犬素人夫婦の日常を綴ります。
旧名たもつ先生です。
たもつ ♂ 
2007年10月19日生まれ

いくつになったの
フリーエリア
カレンダー
02 | 2012/03 | 04
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR