危険がいっぱい

　犬素人夫婦に溺愛され育っているたもつさん　







　そんなたもつさんの日常にも、


　危険な事象は案外ゴロゴロ転がっている訳でして……　




　先日などは、


　河原を散歩する私たちの目前に……、







　なんか来たっ　



「なんだろう、あれ？　随分小っちゃいワンコですねぇ～」









「え？　モルモット？」










「うそうそ……ハムスターかな？？？」











　なんでもいいから、急げ





　……って、ちょ、ちょっと待って　



　あれって……　






　　



　ネッ、ネズミじゃ　　　



　……って、勿論　↑　こんな可愛い感じじゃあないんです　


　所謂、ドブネズミ　　が、河原を疾走　



「ギャ、たもちゃ～ん、近付いちゃダメ」



　くどいようですが、



　河原に出たネズミ……、







　↑　こんな可愛いヤツじゃあないんです　



　立ち竦むたもつと私の前を疾走しフェンスの隙間を抜けると、



　ネズミは隣接する会社の敷地内に姿を消しました　










　友達ワンコのニコルが……、







　岩場の隙間に追い込んだネズミに反撃を食らったコトを思い出し　



　私たちが早々にその場を立ち去ったのは言うまでもありません　





　危険が迫ってくるのは地上のみならず……　



　彼らは空からもやって来ます　



　それは……、





　



　カラス　




　勿論、こちらが何もしない限り、彼らの方から仕掛けてくることはありません　



　……ですが、動き回る物を追うワンコの習性が災いし　


　実は、カラスを追い回していた小型犬の子が、その鋭いクチバシでお尻を襲撃され　


　なんと、出血に至る大惨事に見舞われたことがあったのです　




「カラスは絶対に追っちゃダメ　　　ハトは、許す　」



　たもつには、そう厳しく言い聞かせている私です　






　そしてそして、安全な筈の家の中にも、小さな危険は潜んでいる訳で……　









　なんか居たっ　


「こっ、今度は何ですかっ　」




　ヒャッ　





　



「今度は、クモですかぁ　」








　パクッ　



「『パクッ』って　　　えっ　　　


　クモの姿が消えているぅうぅ」



　ムニャムニャ　



「えっ　　　食べちゃったぁ　」



「食べちゃったの　　　


　たもちゃん、クモ食べちゃったのぉおぉ　」









「ねぇ、たもちゃん　　　笑ってちゃ、分からないよぉ　」




　大騒ぎする私を横目に、たもつさん、なぜか薄ら笑い　



　その後、必死にカーテンにへばり付くクモの姿を無事発見　



　



　ヒョエ～、あな恐ろしや　




　皆さんの大切な子の周辺に、危険が潜んではいませんか……