器用過ぎるおいらの手

　ねえ、知ってる？

　おいらのこの手、






　こう見えて、結構器用なところあるんだよ　


「へぇ～、そうなんですか？」




　だって、見てよ、






　独りで上手にオヤツだって食べられるし　








　テーブルの上に手を掛けて、

　美味しいものが隠れてないか、

　チェックすることだってできるんだ　


「後ろ足が必死過ぎますっ　」






　それから、






　父ちゃんに抱き付いて、吐き戻しの催促をするでしょ　




「……って、食べることばかりに使ってるじゃあないですか　」




　そうでもないよ　


　だってほら、食後の歯磨きだって上手にできるし　







「そっ、そうですね　」




　それから、






　引き出しだって上手に開けられるもん　


「いたずらは困りますよ　」






　なんだったら、






　グダグダ寝てる父ちゃん目掛けてアターック　　だってしてやるぜっ　


　


　たもつさん、実に器用に手（前足）を使われるのは分かったのですが……。


　私が彼の手捌き（足捌き、か？）に今更ながら興味を持ったのは、


　いつもお邪魔しているブログに登場する黒柴の凛ちゃんが、


　たもつさんがするように、







　こんな感じで（彼女の場合は靴下ですが……）


　伸ばした前足の上に上手にモノを乗せている姿を目にしたからでした。


　なんだか、江戸時代の刑罰のように見えなくもないですが　


　ワンコはみんなこんな行動を取るのでしょうか？




　初めて目にした時は、


　え？　何？　どうやって乗せたんですかぁ　


　えぇっと、左足をこうやって、右足をスライドさせて……　


　なんて、真剣に頭を悩ませていた私　


　まあ、冷静に考えれば分かることなんですけどね、


　彼らには更に器用に使える“口”がありますからね　




　それでも、


　想像以上に高性能な機能を持つたもつさんの手　


　今後も更なる技を披露してくれるのではないかと、


　期待に胸膨らませている私です　


　

　本当は、


　こんな風に、







　仲良くする手段として使ってくれると、とっても嬉しいんですけどね　






　そうかっ　


　母ちゃん、思い出したよっ　


「なっ、なんでしょう？」




　おいらのこの手　











　穴掘りにだって、大活躍するんだよっ