お母さんちょーだい

　私たちが食事を終えると見るや、




　
　※　夫のプライバシーに配慮し、眼鏡を掛けてもらっています　

　
　たもつさん、一目散に夫の顔をペロペロしにやってきます。





　こんなところからも、









　こんな角度からも、








　これは、最早襲われているようにしか見えませんね　









「信愛の情を表してるらしいですよ　　　『お父さん大好き　』って感じなのかしら」


「そうなのぉ？　」


「いいなぁ、私のところには来ないんですけどねぇ　」


「そうなんだぁ　」


　
　優越感を見え隠れさせる夫に、若干の苛立ちを覚えてしまう私　



　だったのですが……。






　子犬が母犬の口元を舐めるのは、母犬の食したものをせがんでいる仕草。

　母犬に吐き戻しを促している。


　……という記事に、触れる機会があり　









「ねぇねぇ、その仕草って『お母さんちょーだい　』って意味なんだそうですよ　」　


「え　」


「ねぇねぇ、望み通り　吐き戻して　あげなさいな　」


「えぇ　」


「ほらほら早くぅ　　　『お母さんちょーだい』って言ってますよぉ　」





　しかし……、


　夫がお母さんということは、


　私はお父さん　　ということに　




　これは喜ぶべきか哀しむべきか、最早分からなくなってきましたよ　



　一方の夫は……、


　焼肉なんか食べて帰ると、


「あぁ、口の周り拭いてこなければ良かったぁ　」


　なんてぼやいている始末。


　たもつさんに舐めてもらう気満々じゃあないですか　




　結局たもつさんのペロペロは、


　愛情表現なのか、食事の催促なのか、


　今の私たちには解きようもない難題で　


　今日も明日も明後日も、夫の顔はたもつさんのヨダレに塗れ続けることになるのでした　








　今日も寒かったですね