臭いけど好き

母ちゃん知ってた? おいら、これで結構鼻が利くんだぜ

「勿論、知っていますよ。気付いておられるかどうか分かりませんが、たもつさんは一応『犬』ですからね

じゃあ知ってる? おいらがいつもこうして、何を待ってるのか?

「勿論知っていますよ。父ちゃんが靴下脱ぐのを待ってらっしゃるんでしょ?」
そうそう、脱いだ靴下が洗濯物バスケットに入れられちゃう前に、どうにかして確保しなくちゃ

だから、一時も目が離せないんだ

父ちゃんサッサと靴下脱がないかな、待ち草臥れたよ~


「あはは


その後、夫とたもつの間に壮絶な靴下争奪戦が繰り広げられ





結局、夫が一日履き続けた靴下は、たもつさんのお休みのお供に……

「チラ見で警戒してるし

「分かった分かった、靴下取り上げたりしませんから

確かに……。
子供の頃からいつも狙っていたんです、こんなふうに暗がりから


しかし、どうしてまた、靴下なんかに執着するのでしょう

……と色々考えた結果。
そういえば

赤ちゃんの頃から、
こんなふうに、


靴下に鼻先擦り付けて寝るのが、大好きだったんですよね

だから今でも……

母ちゃん、いつになったら靴下脱ぐのぉ
……って、いつまででも待ち続けているんです。
その辛抱強さ、他で活かせないかなぁ、たもつくん

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